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ミャンマーで奮闘 日本人ビジネスマン

2012-10-26 07:41:10 | 海外ネットワーク


  10月20日 NHK海外ネットワーク


  
  反日デモを機に中国のリスク分散という意味でも
  日本企業にとってミャンマーの重要性が増している。
  ミャンマーへの国別の投資額は
  1中国 2タイ 3香港 4韓国 5イギリス 6シンガポール ・・・
  13日本
  中国が一気に進出し日本は13番目にとどまっている。
  各国に乗り遅れまいと官民挙げて進出の機会をうかがっている。

  阪急阪神エクスプレス 海外事業担当 小高毅さん(43)。
  すでに代理店を通してミャンマーで事業を始めている。
  さらに現地に支店を作って本格的に進出すべきかどうか
  最終的な見極めを任されている。
  「今日より明日の方が絶対楽しいという感じがある。」
  日本向けにスーツの生産を行っている取引先の縫製工場は
  工場の規模を拡大し続けていて生産量は3年前の1,5倍に増えている。
  人件費が中国の約5分の1という安くて豊富な労働力を背景に
  注目が集まるミャンマー。
  今後 日本の製造業が相次いで進出してくれば
  小高さんにとっても大きなビジネスチャンスになる。
  (工場の責任者)
  「駐在事務所ができるともっとスムーズに仕事ができるのではと期待しています。」
  (小高毅さん)
  「日本人が来てモニターすることで早く現地に会社をつくって
   御社の役に立てるように頑張りたい。」

  期待は膨らむ一方 現地で克服しなければならない課題は山積みである。
  物流の生命線となるのが道路網。
  取引先と空港をつなぐ道路はがたがたで
  空港に着くころには荷物が散乱してしまうトラブルが頻発している。
  「ハンガーをかけて運ぶようなコンテナだと荷物が落ちることもある。
   困った事故が起きやすいのでいつも頭を痛めている。」
  荷物の扱い方にも不安が残る。
  空港では梱包の仕方に問題を見つけた。
  「薄いシートが1枚しかかかっていない。
   雨が降ると濡れてダメージになる。
   日本だとどんな雨が降っても大丈夫になっている。」
  小高さんは日本の常識とはかけ離れた物流の環境に戸惑う。 
  現地でひとつひとつ課題を解決していかなくてはならない。
  視点を置くオフィス探しも大変。
  各国から企業が押し寄せているため
  オフィスとして使えるビルやホテルの部屋にほとんど空きがない。
  「事務所として貸し出す予定はないということですね。」
  「厳しいですね。
   どんどんあたっていきます。」
  小高さんに与えられた期間は2か月。
  残り1か月を切り現実に直面し疲れもたまる。
  行きつけの飲食店を訪れては日本人の店主に悩みを打ち明ける。
  「従業員を雇いたいけれど雇う前に会社をどうするか
   本社の結果が出てこない。」
  同業他社の中には先行して進出しているところもある。
  熾烈な競争を勝ち抜かなければならない。

  韓国の縫製会社ではライバルの韓国の物流会社がすでに運送の多くを担い
  取引を広げるのは容易ではない。
  「他の勝者と取引もあるようですが韓国や日本の物流企業ですか。」
  (韓国の縫製会社社長)
  「うちの製品をヤンゴンから日本に運ぶ仕事をしている会社は数多くある。」
  早く足場を固める必要性を痛感している。

  小高さんは状況を確認しに来たアジア地域を統括する上司に
  進出を急ぐよう迫った。
  「みんなでスピードを上げていかないと乗り遅れるリスクがありそう。
   決めるスピードは韓国系とか中国系に比べると後れを取りそうなので
   できればそこについていきたいと思っているんです。」
  (小高毅さん)
  「お客さまがいるところに我々がいち早く入っていって
   できればベストは
   『お待ちしてました 物は動かせるように準備していましたので
    つくることに専念してください』と。
   チャンスや魅力はいっぱいあるんじゃないかと感じています。」

  ミャンマーに大きな期待をかける日本企業。
  数々の課題に直面しながらも出遅れまいと奮闘している。

  いまヤンゴンの日本人商工会議所の会員は60社あるが
  今年になってヤンゴンだけでなく首都のネピドーにも事務所を持っていたり
  経済特区の開発にも乗り出していたりしているが
  インフラの整備が遅れているだけに
  企業の本格的な進出にはまだ時間がかかりそうである。
  日本は期待に応えられるように改革の後押しをしていきたいものである。


  
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