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EUにノーベル平和賞 現地に戸惑いも

2012-10-13 08:03:39 | 報道/ニュース


  10月13日 おはよう日本


  ノーベル平和賞は
  2001年 国連・アナン事務総長(当時)
  赤十字国際委員会は
  1917年、1944年、1963年の3回受賞しているが
  1944年は世界大戦のさなかだった。
  2001年には国連とアナン事務総長(当時)が受賞。
  アメリカで同時多発テロが起きた直後で
  世界の安定と平和のため国連が役割を果たせるか注目された。
  2005年にはIAEA国際原子力機関と当時のエルバラダイ時事務局長が受賞。
  北朝鮮やイランなどの核開発問題が浮上して
  受賞がIAEAの活動の追い風になると期待された。
  そして今回受賞が決まったEU。
  ヨーロッパで戦争を2度と繰り返さないことを最大の理念として設立された。
  
  2度の世界大戦で甚大な被害を受けたヨーロッパはその反省を踏まえ
  戦後 ヨーロッパの統合が徐々に進められてきた。
  1958年に設立されたヨーロッパ経済共同体は
  物やサービスの共通市場を目的として
  ドイツやフランスを中心に6か国で設立された。
  その後 イギリスやスペインなど加盟国が増加
  ECヨーロッパ共同体を結成する。
  (ドイツ コール首相(当時))
  「ドイツの運命はヨーロッパの統合にかかっている。」
  そして1993年 政治経済の更なる統合を目指して
  EUヨーロッパ連合が発足した。
  その後単一通貨のユーロが導入され
  現在はEU27か国のうち17か国で使われるまでになった。
  しかし1部の国の信用不安をきっかけに
  国同士の対立が目立つようになっている。

  EUのノーベル平和賞受賞。
  信用不安と経済危機の真っただ中にあるEUが
  ノーベル平和賞を受賞するのは意外である。
  EUの首脳の間でももろ手を挙げての歓迎というよりは
  戸惑いの声の方が多く聞かれるように感じる。
  EUは“平和と共存”という崇高な理念とは裏腹に
  信用不安対策を巡って
  ドイツなど支援する側の国と
  ギリシャなどの支援を受ける側との国との間で
  不信感が高まって結束が大きく揺らいでいる。
  危機を脱するために結束することが求められているにもかかわらず
  結束しようとすればかえって立場の違いが際立つという
  皮肉な状況にある。
  EUのバローゾ委員長も
  現状は経済的な危機というより
  EUの結束が問われるような政治的危機だと強調している。
  その意味で今回の受賞は
  国際社会がEUに対して
  “発足当初の理念に立ち返り
   迅速で結束した対応をとるよう求める激励のメッセージ”
  と受け止められている。

  EUは18日からブリュッセルで首脳会議を開く。
  財政状況が非常に厳しいギリシャやスペインへの対応を協議する予定。
  ギリシャを巡っては緊縮策の実行の遅れから
  さらなる支援が先送りされる可能性が高まっている。
  スペインについても財政支援を受ける条件として
  いっそうの緊縮策が課されることをためらって
  支援を要請しないのではないかとみられている。
  ノーベル平和賞に背中を押されるような形で
  ヨーロッパ各国は対立を乗り越えて結束して危機に臨めるのか
  これまでにも増して世界の厳しい目が注がれることになる。

       
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