日暮しの種 

経済やら芸能やらスポーツやら
お勉強いたします

“メイド・イン・アメリカ”復活へ ①中国とのコスト差 縮小  

2013-12-23 16:00:36 | ビズ プラス
12月8日 BIZ+SUNDAY


1900年代初頭 太陽生産で“世界の工場”となっていたアメリカ。
それから100年。
いま再び“メイド・イン・アメリカ”復活の動きが見え始めている。
ドイツの大手電機メーカー シーメンス。
パソコン世界シェアトップのレノボ。
世界中のメーカーが生産拠点を次々とアメリカ国内に設けている。
(レノボ工場長)
「製造業をアメリカに戻すチャンスに恵まれとてもうれしく思う。」
こうした動きを看護さらに加速させるとみられるのが“シェール革命”。
天然ガスや原油の価格が値下がりし電力価格や原材料費を大幅に押し下げようとしている。
(オバマ大統領)
「アメリカの工場のエネルギーコストはドイツや日本の半分
 あるいは3分の1になるだろう。
 アメリカははるかに有利になる。」
シェールガスが大量に採れるアメリカ南部ではいま化学工場の建設ラッシュが起きている。
このダイナミックな変化に取り残されまいと日本企業もアメリカシフトを強化している。
(機械メーカー社長)
「新設プラントは全部我々が受注する。」

中国の大手パソコンメーカー レノボ。
今年1月 アメリカに新たな生産拠点を作った。
アメリカ市場向けのパソコンやタブレット端末など年間最大で50万台生産することができる。
レノボはアメリカのIBMのパソコン事業を買収し世界第1位のパソコンメーカーに躍り出た。
地元ではIBMがアメリカに帰ってきたと歓迎されている。
今後メイド・イン・アメリカを売り物にアメリカでのシェアを伸ばす戦略である。
(レノボ ノースアメリカ ジェイ・パーカー社長)
「顧客からメイド・イン・アメリカの製品に対する需要がある。
 特に連邦政府と州政府 その関連機関。
 さらに企業も国内製を好む。」
この会社がアメリカでの生産に踏み切った大きな理由が中国での人件費の急上昇だった。
製造業の場合2005年の時点では中国で生産した方がコストはアメリカより約30%安くなっていた。
その差が2年前には約10%に縮小。
今後 生産コストに差はなくなるとみられている。
(レノボ ノースアメリカ ジェイ・パーカー社長)
「中国との大きなコスト差はなくなってきている。
 顧客にとっては国内製造のほうが早く製品を入手でき利点が多い。」
生産拠点をアメリカへ移す動きは中小企業でも始まっている。
以前はすべて中国の工場に生産を委託していた。
社員8人のこの会社 エレキギターの音を変える装置を生産している。
以前は中国の工場にすべて生産を委託していた。
しかし不良品が少なくないうえ輸送コストもかさみ中国から輸入すると割に合わなくなったのである。
2年前 中国の工場との契約を打ち切りアメリカでの自社生産に切り替えた。
(ピグトロにクス デビッド・カルタイ社長)
「アメリカに生産拠点を移すことが会社を成長させ競争力を高めるのに最善の策だった。」
さらに今後アメリカの製造業に強い追い風になるのがシェール革命である。
新たに採掘できるようになった格安の天然ガスや原油が原材料費や電力価格を大きく引き下げる見込みである。
樹脂や化学繊維など様々な製品の原料となるポリエチレンは格安の天然ガスから作ることができるようになっている。
(レックスプラスチック リッチ・クラーク社長)
「今後 数年でポリエチレンの価格が下がるとみている。
 アメリカの製造業はさらに大きく伸びるだろう。」 
電力価格の安さも企業をひきつけている。
ドイツの大手メーカー シーメンス。
2年前 アメリカで新たに発電用のガスタービンの生産に乗り出した。
発電設備の需要が増えると見込んだためだが電力価格がドイツより大幅に安いことも現地生産の決め手をなった。
工場で使う電力価格はドイツや日本の約半分。
今後さらにその差は開くとみられている。
(シーメンス エネルギー マーク・プリングル副社長)
「世界各地ではエネルギーコストが上昇している。
 一方 アメリカではシェールガスブームで下落傾向にある。
 アメリカでは製造業が賦活しつつあり製鉄会社などの工場も戻ろうとしている。
 こうした動きが原材料コストの削減につながり我が社のメリットになると期待している。」
コメント