日暮しの種 

経済やら芸能やらスポーツやら
お勉強いたします

首相による国益の〈幸〉と〈辛〉

2013-12-27 15:55:41 | 編集手帳
12月27日 編集手帳

一方通行の道を、
向こうから逆走してくる車がある。
正しいのはこちらだからといって、
走り続ける人はいない。
ブレーキを踏み、
止まる。

〈正〉と〈止〉は横棒1本の違いである。
自分が正しくとも横棒は胸にしまい、
事故を避けて止まらねばならない。
靖国神社に“電撃参拝”した安倍首相の安全意識は、
はなはだ怪しい。

国のために命を捧ささげた人たちに尊崇の念を示すことも、
追悼に他国の干渉は受けないという信念も、
「不戦の誓い」の一言一句も、
どれも正しい。
一方通行を逆走するがごとき中国や韓国の過剰な反発が間違っている。

それはその通りだが、
車の運転も、
政治も、
つまるところは結果である。
在日米国大使館は「近隣諸国との緊張を悪化させるような行動を取ったことに米国政府は失望している」との声明を発表した。
普天間問題がようやく動きだそうというその時に、
無二の親友である米国の期待を裏切る。
〈正〉に酔って〈止〉を忘れた手痛い誤算だろう。

横棒1本の有る無しで意味が変わる漢字の組み合わせは、
ほかにもある。
首相の誤算が国益の〈幸〉を〈辛〉に変えなければいい。
コメント