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冷え込む日韓関係 韓国メディアに変化

2013-12-26 16:28:02 | 海外ネットワーク
12月15日 NHK海外ネットワーク


日本は北朝鮮の動向を見極めるうえでも韓国との連携は欠かせない。
しかし日韓の関係は冷え込んだままで
パク・クネ大統領の就任から約10か月が経っても安倍総理大臣との首脳会談はいまだ開かれていない。
日本の歴史認識などをめぐり批判を繰り返してきたパク・クネ大統領。
日本と韓国との関係はこれまでにないほど悪化している。
日本への反発はスポーツの場でも。
島根県の竹島では日本の民間人が島を訪れたという想定で特殊部隊が出動する訓練まで。
両国の関係に改善の兆しはあるのか。
ここにきて韓国メディアの日本への論調には変化がみられる。
(韓国の主な有力紙の社説)
“首脳会談の必要性”
“韓日関係の重要性を再確認”
“まずは韓日関係の改善を”

いずれもパク・クネ政権に対して日本との関係改善に乗り出すよう求めている。

韓国の新聞 国民日報のチョ・ヨンネ論説委員は
日韓関係の取材を30年近く続けてきて両国のジャーナリストの交流会の世話役も務めている。
両国の関係悪化にいま強い危機感を持っていると言う。
(国民日報 チョ・ヨンネ論説委員)
「関係悪化は日本にとっても韓国にとっても良くないこと。
 今の状態をこのまま放っておいてはいけない。」
(チョさんが11月に執筆したコラム)
“原則論をぶつけ合わず互いの違いを理解したうえで対話すべき”

と日本との関係改善に踏み切る決断をパク大統領に迫った。
チョさんは今の日韓慮国には復元力が無いのが心配だと指摘する。
以前は関係が悪化したときに両国の政治家同士が橋渡し役をするなど元に戻そうとする力が働いたが
今はそれが無いと言うのである。
両国の関係はこれまでも歴史問題などでたびたびこじれてきた。
しかしそんな時でも関係修復を模索する動きが双方から出てきて
その結果 首脳会談が行われるなど復元力が働いていたとチョさんはみている。
(国民日報 チョ・ヨンネ論説委員)
「新たにパク政権と安倍政権が誕生し復元力が働くと思っていたが
 両国の関係はむしろ悪化した。」
パク政権は日本との関係改善には手をつけずアメリカや中国との関係を重視。
こうした大国重視の外交は韓国国民の強い支持を集めた。
しかし10月 こうした世論は変わった。
東京で日米外務・防衛閣僚協議 2プラス2が行われたことがきかっけである。
この中でアメリカは日本の集団的自衛権行使容認への動きを歓迎する意向を示した。
(アメリカ ケリー国務長官)
「日米同盟は間違いなくアジア太平洋地域の平和と安定繁栄の礎だ。」
韓国が懸念を示す日本の集団的自衛権行使をアメリカが支持したとして韓国では衝撃が広がったのである。
国会では議員たちが“外交上の敗北”だとして政府を追及。
(韓国の議員)
「日本の外交の勝利だ。」
日米が安全保障分野で連携を強めるなか
韓国がそれに反対するかのような立場をとりつづければ孤立しかねない。
それまでの日本への対応ぶりに疑問の声が上がり始めた。
日韓関係の改善を求める動きはニュース番組でも取り上げられるようになった。
(韓国KBS)
「中国や北朝鮮情勢など考えると日本との関係修復は切実な問題。」

さらにNHKの紅白歌合戦の出場者に韓流スターが選ばれないのは日韓関係の悪化に原因があるとKBSは指摘。
(韓国KBS)
「日本で最高の権威を誇る年末の歌番組。
 韓流ブームのなか韓流スターたちが出演していました。
 しかしここ2年は選ばれていません。」

市民の間からも日韓関係を改善するべきだという声が聞かれるようになっている。
「会って話さないと互いの距離を縮めることはできない。」
「領土問題で緊張が続くが友好国として理解し協力し合う関係の維持してほしい。」
チョさんは国民の間にも改善を求める声が出始めた今こそパク大統領は日本への姿勢を見直すべきだとしている。
(国民日報 チョ・ヨンネ論説委員)
「復元力を一日も早く働かせ関係を正常化させ協力できる部分は協力すると言う柔軟性が必要ではないか。」

韓国外務省やパク大統領の周辺の高官も日本との関係立て直しを模索すべきだと考えているのは間違いない。
ただこのタイミングで踏み出すのは難しいと考えているとみられる。
問題を複雑にしているのが太平洋戦争中に日本に動員された元労働者や遺族らが日本企業を相手に韓国で起こした裁判である。
この問題は日韓両政府の間では解決済みとしてきたが日本企業に賠償を命じる判決が次々に出され
国民の間では日本企業が賠償を応じるよう韓国政府も働きかけるべきだという声が高まっている。
こうした状況の中では日本との関係改善に向けて動きにくい。
北朝鮮情勢が不透明になったこともあって韓国も関係改善の必要性は認識してきている。
これから来年の上半期がひとつのカギとなりそうである。
日韓両国は再来年2015年に国交正常化50年を迎えるが外交関係者の間からは
節目の年を前向きに迎えるためには来年の上半期から改善に向けた動きが始まらなければ間に合わない
という指摘がある。
関係再構築を決断できる人はパク・クネ大統領を置いて他にいない。
しかしパク大統領は12月に入ってからも歴史認識問題で日本の前向きな対応を求めるという従来の発言を繰り返している。
日韓関係の行方はパク大統領の決断にかかっている。
復元力がここで働いてパク大統領を後押しすることになるか注視していきたい。 

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