日暮しの種 

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努力を惜しまぬように、 言い訳せぬように、 人様をうらやまぬように

2013-12-31 08:06:30 | 編集手帳
12月29日 編集手帳

仕事の能力にしろ、
心の広さにしろ、
かなわないなと思う人に多く出会ってきた。
尊敬の念を深める一方、
少しねたましくもある。
歴史の中にも。
江戸時代の国学者、
本居宣長がそうだ。

出生地の三重県松阪市を訪ねたおり、
記念館が所蔵する日記に目を丸くした。
自分の生まれた日からの出来事がつづられていたのである。
つけ始めは13歳という。
親から記憶の乏しい時代を聞き取り、
過去を加筆したらしい。

解読不能と言われた古事記を読み解き、
日本の古代史に光をあてた偉人は自分史の作成にも余念がなかったとみられる。

<才のともしきや、
 学ぶ事の晩おそきや、
 暇のなきやによりて、
 思いくずおれて、
 止やむることなかれ>(うひ山ぶみ)。
胸の内を見透かされたようでドキリとする。
才能がない、
学び始めが人より遅い、
時間が足りない――
怠け者の言い訳とおっしゃりたいのだろう。

手元に来年の手帳がある。
おせちの味が舌に残る内に、
まだ白い部分に書き始めようと思う。
予定以外のことも。
その日その日の自分をしかと見つめたい。
努力を惜しまぬように、
言い訳せぬように、
人様をうらやまぬように。
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