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被災地発新ビジネス ①日本初の水産特区 企業化でかき養殖復活

2014-03-10 16:30:00 | ビズ プラス
3月2日 BIZ+SUNDAY


東日本大震災から3年。
東北の被災地では今復興に向けた建設が進んでいる。
しかし地域の柱だった農林水産業の再生はまだ道半ばである。
こうした被災地の課題を解決する新しいビジネスが次々と生まれている。  

かきの生産地宮城県石巻市の桃浦地区。
3年前の津波では地区にある65世帯のうち60世帯が流され漁業も壊滅的な被害を受けた。
一度はかきの養殖の再開を断念した漁業者たち。
復活のきっかけとなったのが去年 日本初の水産業復興特区に認定されたことだった。
特区の仕組みは
これまで海でかきの養殖などを行う漁業権は地元の漁協に優先して与えられていた。
特区では漁業権を企業にも同じように与える。
条件は地元の漁業者が関わっていることである。
桃浦地区の漁業者は仙台の有力な水産会社と新会社を設立し漁業権を得た。
水産会社から資金や販売ルートで支援を受けやすくなった。
桃浦地区で半世紀にわたりかきを養殖してきた大山勝幸さんは新しく出来た会社の代表になった。
(桃浦かき生産者合同会社 大山勝幸代表役員)
「これから。
 すべてはこれから。
 これを契機に復興に弾みをつけたい。」
会社にしたことで独自の戦略を取りやすくなった。
その1つがカキのブランド化である。
この地区で水揚げされたかきは桃浦かきと名付けられ水産会社の流通ルートで店頭に並べられるようになった。
さらに出荷のスピードも短縮し翌日には販売できるようになった。
桃浦かきは鮮度と味の良さがみとめられ出荷価格は以前に比べ30%以上高い値段がつくまでになった。
大手外食チェーンの期間限定メニューにも採用された。
(大戸屋 マーケティング企画管理部 中村徹部長)
「取引先からの紹介だった。
 実際 かきを試食してみて非常においしかったので是非商品化したいを思い
 今回 販売を決めた。」
この会社ではさらに販売を増やそうと先月 あたらしい加工場を作った。
殻つきの状態で冷凍できる凍結器や自動でカキフライの衣をつける機械など最新の設備を完備。
生産から加工販売まで一手に担うシステムを作り上げようとしている。
会社組織になったことで業業者の働き方も大きく変わっている。
出勤時間は毎朝定時の6時半。
収入は水揚げにかかわらず月給制となった。
去年11月 社員寮も整備したことで地元以外の新入社員も入ってきた。
会社を設立してからこれまでに7人が入社。
東京から来た42歳の男性は以前はコールセンターに勤めていた。
(太田秀浩さん)
「海と深くかかわった暮らしというものに憧れというか
 したいという希望をずっと持っていた。」
仙台の寝具メーカーに24年務めていた男性。
(南谷竜さん)
「安定収入が毎月いただける。
 それが漁師の新しいスタイルなのかな。」
会社はまだ赤字であるが3年後の黒字化を目指している。
(桃浦かき生産者合同会社 大山勝幸代表社員)
「新しいことにどんどん取り組んでそれを次の世代に伝えていくのも
 私たちが今できる一番のこと。
 そのためには会社をつくる。
 そしてこの会社を核にしてここに働きに来る従業員たちが集落をつくっていく。」


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