3月16日 BIZ+SUNDAY
欧米を中心ににわかに盛り上がりを見せる無人ヘリビジネス。
実は最先端の研究は日本でも行われている。
千葉市稲毛区の運動場で小型無人ヘリの飛行実験が行われていた。
千葉大学 工学研究科 野波健蔵教授(65)は
人が捜査するのではなく
ヘリが自ら考えて飛行する自立制御の技術を16年前から世界に先駆けて研究してきた。
GPSからの信号で位置を確認しながらあらかじめプログラミングされた経路を飛んでいく。
風の強さや向きは一定ではなく刻々と変わる。
自立飛行ではヘリ自身が6つあるプロペラの回転数をそれぞれ制御することで水平を維持している。
これまで制作してきた無人ヘリは約50機にのぼる。
(千葉大学 工学研究科 野波健蔵教授)
「日本は震災とか台風とか自然災害が多い国ですから
何かあった時に今回の雪害もそうですけど
まず無人ヘリが飛んで困っている人がいないかどうか
雪の中で立ち往生している車がいないかどうか
飛ばせばすぐにわかること。
まず防災とかそういう意味での減災
安全安心のまちづくり都市づくりに役立てるのが今求められている。」
しかしこうした技術を防災やビジネスに生かそうという機運は日本にはあまりなかったという。
(千葉大学 工学研究科 野波健蔵教授)
「実際にマーケティングとかそこまで考えていない。
技術レベルはすごく高いけれども
その技術をしっかり世界に売りさばいてマーケットを作って
ちゃんと成果まで持っていく人があまり日本にはいないと感じる。」
野波さんは無人ヘリの技術を事業化するため2年前にプロジェクトを立ち上げた。
呼びかけに応じたのは大手電機メーカーや商社、自治体など約80団体。
定期的に会合を開き意見交換を行っている。
「実際に運用する人のトレーニングをどうするか。」
「ユーザーへのサポートを誰がするのかという視点をもう少し入れて絵を描くといいのでは。」
このプロジェクトをきっかけに野波さんの開発した無人ヘリはまもなく実用化される。
ソーラーパネルが並ぶ太陽光発電所。
これまで作業員が手作業で行っていたパネルの検査に10月から無人ヘリを導入する計画である。
赤外線カメラを使い上空からパネルを撮影することで温度が高くなっている異常個所を素早く検知。
約6000枚のパネルを2時間余で検査することができる。
(中部電気保安協会 豊田雅史さん)
「今 メガソーラー発電所が増えているので
さまざまな客から声をかけてもらっている。」
Q.大学発ベンチャーの研究が実際にビジネスにつながるには何が必要か?
「出口。
研究の出口という意味は最終的に“見える化”をするということ。
どういう具合に社会に貢献するか
見えるところまで持っていく。
そこまで責任を持って見届けることが今の研究者には求められている。」
3年前に事故を起こした東京電力福島第一原発。
今も放射線量が高く容易に人が近づけない状況が続いている。
野波さんはいま無人ヘリで原子炉建屋内を調査する準備を進めている。
真っ暗で内部の様子が詳しくわからない建屋内を飛行するために
これまでより一歩進んだ自立制御を開発した。
「これがレーザーレンジファインダーです。」
レーザーでまわりの障害物を検知し3次元の地図をその場で作成するシステム。
これによりヘリが自分で判断し未知の場所にも入って行ける。
「崩落していて通れるところと通れないところがある。
3次元地図を作りながら隙間をたどっていく。」
さらに長時間飛行できるように自動的にバッテリーを交換する装置を世界で初めて開発した。
「福島県の原発被災地域には困っている人がいるので
危険なところになかなか人はいけないが
ヘリは放射線計測気をつけて飛べるのでそういう形で貢献できると思っている。
いろんなところにこの技術を波及させて
もう一度日本がものづくり大国として世界に羽ばたくきっかけになれば幸せ。」
欧米を中心ににわかに盛り上がりを見せる無人ヘリビジネス。
実は最先端の研究は日本でも行われている。
千葉市稲毛区の運動場で小型無人ヘリの飛行実験が行われていた。
千葉大学 工学研究科 野波健蔵教授(65)は
人が捜査するのではなく
ヘリが自ら考えて飛行する自立制御の技術を16年前から世界に先駆けて研究してきた。
GPSからの信号で位置を確認しながらあらかじめプログラミングされた経路を飛んでいく。
風の強さや向きは一定ではなく刻々と変わる。
自立飛行ではヘリ自身が6つあるプロペラの回転数をそれぞれ制御することで水平を維持している。
これまで制作してきた無人ヘリは約50機にのぼる。
(千葉大学 工学研究科 野波健蔵教授)
「日本は震災とか台風とか自然災害が多い国ですから
何かあった時に今回の雪害もそうですけど
まず無人ヘリが飛んで困っている人がいないかどうか
雪の中で立ち往生している車がいないかどうか
飛ばせばすぐにわかること。
まず防災とかそういう意味での減災
安全安心のまちづくり都市づくりに役立てるのが今求められている。」
しかしこうした技術を防災やビジネスに生かそうという機運は日本にはあまりなかったという。
(千葉大学 工学研究科 野波健蔵教授)
「実際にマーケティングとかそこまで考えていない。
技術レベルはすごく高いけれども
その技術をしっかり世界に売りさばいてマーケットを作って
ちゃんと成果まで持っていく人があまり日本にはいないと感じる。」
野波さんは無人ヘリの技術を事業化するため2年前にプロジェクトを立ち上げた。
呼びかけに応じたのは大手電機メーカーや商社、自治体など約80団体。
定期的に会合を開き意見交換を行っている。
「実際に運用する人のトレーニングをどうするか。」
「ユーザーへのサポートを誰がするのかという視点をもう少し入れて絵を描くといいのでは。」
このプロジェクトをきっかけに野波さんの開発した無人ヘリはまもなく実用化される。
ソーラーパネルが並ぶ太陽光発電所。
これまで作業員が手作業で行っていたパネルの検査に10月から無人ヘリを導入する計画である。
赤外線カメラを使い上空からパネルを撮影することで温度が高くなっている異常個所を素早く検知。
約6000枚のパネルを2時間余で検査することができる。
(中部電気保安協会 豊田雅史さん)
「今 メガソーラー発電所が増えているので
さまざまな客から声をかけてもらっている。」
Q.大学発ベンチャーの研究が実際にビジネスにつながるには何が必要か?
「出口。
研究の出口という意味は最終的に“見える化”をするということ。
どういう具合に社会に貢献するか
見えるところまで持っていく。
そこまで責任を持って見届けることが今の研究者には求められている。」
3年前に事故を起こした東京電力福島第一原発。
今も放射線量が高く容易に人が近づけない状況が続いている。
野波さんはいま無人ヘリで原子炉建屋内を調査する準備を進めている。
真っ暗で内部の様子が詳しくわからない建屋内を飛行するために
これまでより一歩進んだ自立制御を開発した。
「これがレーザーレンジファインダーです。」
レーザーでまわりの障害物を検知し3次元の地図をその場で作成するシステム。
これによりヘリが自分で判断し未知の場所にも入って行ける。
「崩落していて通れるところと通れないところがある。
3次元地図を作りながら隙間をたどっていく。」
さらに長時間飛行できるように自動的にバッテリーを交換する装置を世界で初めて開発した。
「福島県の原発被災地域には困っている人がいるので
危険なところになかなか人はいけないが
ヘリは放射線計測気をつけて飛べるのでそういう形で貢献できると思っている。
いろんなところにこの技術を波及させて
もう一度日本がものづくり大国として世界に羽ばたくきっかけになれば幸せ。」