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富士重工の“企業城下町”賃上げは広がるか

2014-03-21 07:00:00 | ビズ プラス
3月9日 BIZ+SUNDAY


大手自動車メーカー富士重工業。
今年度 過去最高となる約3100億円の営業利益を上げる見通しである。
北米市場での販売が好調で製造ラインはフル稼働。
労働組合では4年ぶりに3500円のベアを要求し回答日に向けて労使のギリギリの交渉が続いている。
この会社が車の8割近くを生産している群馬県太田市は下請けの部品メーカーが集まる企業城下町である。
町では景気回復の兆しが表れ始めている。
(タクシー運転手)
「ずいぶんタクシーの利用客は増えた。」
「昼間は工業団地方面に行く方も増えた。」
居酒屋も自動車関連の従業員でにぎわっている。
(富士重工 従業員)
「絶対賃金は上がります。
 上げてもらわないと困る。
 それだけ働いているという自負がある。」
(居酒屋店長)
「賃金が上がってうちに落としていただければありがたい。」

富士重工と直接取引をする一次下請けのメーカー。
社員は約700人。
運転席の内装部品などを製造している。
今年度は売り上げが過去最高となる見通しである。
2月 この会社でも春闘が始まった。
組合は業績好調を理由にベースアップを要求。
実に12年ぶりである。
要求額は富士重工業より1,000円低い2,500円。
(しげる工業労働組合 清水功治執行委員長)
「要求した内容に近い回答をいただけることを目指し今後も協議していきたい。」
(しげる工業 正田寛会長)
「最近は非常に生産活動が活発化していて組合員には大変な協力をいただいている。
 それなりの対応が求められるのは承知している。」
この会社の社員 坂本吉隆さん(33)。
景気が低迷していた15年前に入社。
ベアを経験したのは一度だけである。
坂本さんの基本給は22万4千円。
これに残業や休日出勤の手当てが加わり総額は毎月40万円前後。
ベアが実現すれば基本給がアップ。
さらに時間外やボーナスの金額にも反映されるため期待が高まる。
こどもは3人。
4月には次女が小学校に入学。
勉強机などを買いそろえる予定である。
(妻 瑞穂さん)
「収入が増えれば子どもたちの習い事などにまわせる。」
(坂本吉隆さん)
「ベースアップしてもらえれば働きがいも出てくる。」

この町で賃上げの動きはどこまで広がるのか。
地元の信用金庫は2月に取引先の約600社にアンケート調査をした。
対称のほとんどは中小企業で2次、3次の下請け企業が多く含まれている。
調査は意外な結果を示した。
“賃上げをする”と答えた企業は半年前よりは増えたものの10%にとどまった。
2次下請けの企業では今賃上げをするかどうか頭を悩ませている。
従業員は25人。
マフラーの部品を作っている。
この会社の平均的な給与は手当込みで約27万円。
(従業員)
「忙しいからこっちにもまわってくればいい。
 給料の面で。」
丸和製作所 平田茂社長は受注が増えていることからこの春に賃金をあげようと考えて始めていた。
しかし先週、その決心を揺るがす1通のメールを受け取った。
部品の価格を4月から一律2,5%引き下げてほしいという取引先からの要請だった。
(丸和製作所 平田茂社長)
「利益が出るかと思うとコストダウンの要請がある。
 努力して利益を出すように工夫するが工夫した分をコストダウンで持っていかれてしまう。」
海外のメーカーと激しい競争にさらされている自動車業界。
下請けのメーカーには常にコストダウンの要求がつきまとう。
ある部品の納入価格は1戸当たり50円で利益率は3%。
価格を2,5%下げれば利益はほとんど出なくなる。
賃上げに回す余裕がなくなってしまうのである。
(丸和製作所 平田茂社長)
「加工賃をアップしてくれれば非常にスムーズに社員の給料はアップできる。
 そうなればありがたい。
 取引先がコストアップしてくれたことはいまだかつてない。」

すでに賃上げを見送った企業もある。
プラスチック部品をつくる2次下請け 田中樹脂工業 田中正裕社長。
賃上げできない大きな理由は去年行なった多額の設備投資である。
約1,900万円かけて導入したプラスチックの加工機械。
生産能力は2割アップした。
取引先からのコストダウンの要求に対応するためである。
(田中樹脂工業 田中正裕社長)
「こういう機械を導入していかないと
 これから先の仕事は特に自動車産業はついていけないと思う。」
いまは社員の賃上げよりも設備投資を優先せざるを得ないと言う。
(田中樹脂工業 田中正裕社長)
「なんとか仕事を続けて従業員のためにも会社を守らなければいけない。
 いまうちの状況では賃上げは全く無理。」


 






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