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知っていますか?“モノを持たない”人々

2015-07-09 07:15:00 | 報道/ニュース

7月7日 おはよう日本


いま世の中に広がり始めている言葉がミニマリスト
最小限を意味する“ミニマム”を使った造語である。
ミニマリストは所有するものを限りなく減らして暮らそうという人たちである。
都内の出版社に勤める佐々木典士さん(35)。
自他ともに認めるミニマリストである。
佐々木さんが暮らすワンルームの部屋にはモノが何も置いてない。
クローゼットには洋服がわずか6着。
1年間を通して着まわす。
「野球選手が毎日同じユニフォームを着るイメージで
 私服も同じものを着続ける。」
風呂場に置かれているのは液体せっけん1つだけ。
バスタオルもなく1枚の手拭いで体をふいている。
「1つの液体せっけんで頭も体も洗いひげも剃っている。」
食器やなべなど絶対に必要なもの以外は置かないのが暮らしのルールである。
モノを持たない佐々木さんの生活。
しかしかつては正反対だった。
5年前の佐々木さんの部屋は
たくさんのものを買い本や家具、趣味の小物などがあふれていた。
しかしどんなにモノに囲まれていても気持ちが満たされることはなかったと言う。
「モノをたくさん持っていたけれど
 まだ自分には足りないモノばかり。
 あれもほしいこれもほしいという状況。
 モノを持っていたことが苦しかった。」
去年インターネットで海外のミニマリストたちの生活を知り
思い切ってモノを持たない生活にかじを切った。
モノを減らせば減らすほど気持ちが楽になっていくのを実感できたと言う。
(佐々木典士さん)
「モノを減らすことで見えてきた豊かさがある。
 時間ができた。
 精神的に人と比べることもない。
 モノが少ないと今持っているモノに感謝するようになる。
 不思議と。」
最低限のモノを選別するライフスタイルは職場でも実践している。
同僚の机と比較すると佐々木さんの机には一切不要なモノが置かれていない。
仕事のやり方そのものも大きく変わった。
どの情報が本当に必要なのかを選別する意識が高まり
上司からも仕事の効率が上がったと評価されている。
(上司)
「自分がやるべき仕事をサッとやって早めに帰る。
 効率よくやっている。」
(佐々木典士さん)
「モノを減らしただけなのにこんなに変化があるんだなと自分でも驚き。
 何が大事なのか
 何が本質なのか
 自分に問いかける癖ができたと思う。」
“持たない暮らし”
そのライフスタイルは若い世代に少しずつ広がっている。 
180人が暮らすアパート。
入居者の1人 IT企業に勤める植田淳平さん(35)。
1年半前 わずかな荷物とともに6畳の部屋に引っ越してきた。
「スーツケース2つで荷物をちょっと整理して来た。」
アパートには入居者が自由に使える広いラウンジ。
そして5つのキッチンがあり調理器後も用意されている。
モノやスペースを住人が積極的に共有することで“持たない暮らし”を実現している。
アパートにはこうした生活に関心を持つ様々な職種や価値観の人たちが集まっている。
モノに囲まれた生活よりも
人と交流し時間を共有することが大きな刺激になると植田さんは考えている。
(植田淳平さん)
「持つことに対してあんまり興味がない。
 持たない方が身軽。
 年上の方・違う業種の方の意見やアドバイスはすごく身になっている。」
広がるミニマリスト生活。
若者の消費行動に詳しい専門家は
景気の変化にかかわらず今後社会に定着していくと指摘する。
(博報堂 若者研究所 原田曜平さん)
「昔の若者は見栄を張って身の丈以上の車・ブランド品を買って優越感を得ていた。
 一方 若い人たちは買いたいという感覚ではなく
 基本的には抑える方向で生きている。
 別に無理しているわけではなくそれである程度満足。
 持つことの価値が相対的に下がっている。」

 

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