7月8日 おはよう日本
名古屋の喫茶店では
飲み物1杯の値段で
トーストやサラダなどバラエティに富むモーニングの文化が根付いている。
モーニングの形は店によって違う。
そのサービスの分だけ多くの人々をひきつけている。
1日に多くの人が行きかう名古屋駅近くの喫茶店。
平日の朝 出勤前の人々でにぎわう。
午前9時。
商談の準備でノートに黙々と書き込む女性。
(ブライダル関係で働く女性)
「戦略をどうしようか、みたいな。
新幹線1本早く乗ってここで一息入れてから行くって感じですね。」
仕事の休憩時間にモーニングを楽しむ人もいる。
仕事で息が詰まるとこの場所に駆け込むと言う。(会社員)
「息抜きだね。
そういう時間がない年ごとにならんわな。」
嫌になっちゃうよ。
デスクワークなんて。」
午前10時30分。
次々と席が埋まるなか訪れた2人の女性。
「生まれてみて初めて分かった。
孫ってかわいいな。」
モーニングを食べながら長話をするのが毎日の日課である。
「のんびりできる。
ひと休みしてリラックスできる。
一番大事な時間かもしれない。」
午後2時。
お昼を過ぎてもモーニングを食べる女性。
初めての外食が40年前に食べたモーニングだった。
「8人兄弟で私が下から2番目で親には面倒かけられないものですから
バイト代が入った時に初めて卵とトーストが付いてきた時にはびっくりしましたね。
こんな贅沢していいのかという感じで。」
名古屋の風土に根付くモーニング文化。
その空間だからこそ育まれるつながりがある。
単身赴任の父親と社会人1年目の息子。
男2人で初めてのモーニングである。
「今お金を貯めないと一生たまらないと言う先輩がいる。」
「俺みたいに飲み歩いてたら絶対たまらんで。」
お互いが同じ社会人となり父親に対する息子の気持ちにもちょっとして変化があった。
「これから悩んで悩んで壁にぶち当たることもあるけど
近くでこれだけ聞いてくれる人がいるのは大きいと思いますね。」
新たな人のつながりを生むこともある。
関東から訪れた2人。
たまたま席が隣になり何気ない会話から話すようになった。
「お若そうですけど何歳ぐらいですか。」
「24です。」
「24ですか。
同じくらいか。」
モーニングをきっかけになり同世代でしがらみのない会話が2人の距離を縮める。
「地元が近片野であっちで会おうみたいな。
不思議な縁ですよ。
こういうのも楽しいですよ。」
家や職場などにはないモーニングという居心地のいい空間。
そのひとときは
日々を生きる人々の顔をほんのちょっと和らげてくれる。