10月20日 キャッチ!
中国政府はいま
アジアとヨーロッパをつなぐ巨大経済圏構想やベンチャー企業育成などさまざまな戦略を次々と打ち出している。
このところ世界経済のリスクの源と揶揄される中国経済だが
中国政府は今後の経済の安定成長を強調し続けている。
そのカギのひとつとして掲げるのが首都圏周辺の開発の見直しである。
首都北京から南東に200㎞のところの河北省の曹妃甸地区はかつて8兆円余を投資て開発されたが
企業誘致が進まずゴーストタウンの代名詞ともなっていた。
政府はいまこの地区を新たな戦略の象徴と位置づけ
発展に向けたてこ入れを行っている。
天然の港を生かすことのできる曹妃甸(そうひでん)は
理想的な工業団地として大規模な造成やマンション建設などが進められた。
ところが地域単独では企業の誘致が進まず
一時は事業の一部が止まっているなどと報じられた。
その曹妃甸をかかえる唐山市で9月16日 投資説明会が開かれ北京市からも幹部が出席。
北京の企業の進出が今後は加速されると説明した。
(北京市 投資促進局 周衛民局長)
「この地域には大きな魅力がある。
唐山への投資が推奨され北京の企業の進出も進むだろう。」
曹妃甸の担当者も「国家戦略が動き出し新たな魅力が増した」と強調し
海外の参加者に積極的な投資を呼び掛けた。
(参加者)
「景気には波があるのが普通です。」
「素晴らしい産業とビジネスを創出しているね。」
こうした曹妃甸へのテコ入れは中国が新たな地域発展の戦略として打ち出す首都圏一体化構想の一環として行われるもので
人口過密や大気汚染などの課題を抱える北京から経済の機能の一部を周辺地域に移そうとするものである。
この日は日本の企業関係者を招いた現地視察ツアーも開かれた。
そこでも首都北京との連携ぶりが随所で紹介された。
(ガイド)
「病院は北京の大病院と提携して北京と同様の診療ができるようにします。
北京師範大学の付属小学校・中学校の先生を導入して教育もレベルアップします。」
かつてゴーストタウンと呼ばれたマンション群では
(ガイド)
「価格は北京の10分の1ぐらいです。
今のうちに投資した方がいいかもしれない。」
広大な空き地になっている一帯には
北京に拠点がある国有企業が年間1,500万トン規模の石油化学製品を生産する石油コンビナートを建設する計画だと説明した。
曹妃甸の港にはすでに200以上の埠頭が造られているが
首都圏一体化への期待から今後は2倍近い411まで増設する計画である。
事業継続の危機が指摘されて数年
曹妃甸の変わりぶりに構想への期待とともに実現の可能性に対する懸念の声も聴かれた。
(日本企業ツアー参加者)
「この広さにおいてまだ作っているのが半分ぐらいということなのでいっぱいになるのか
まだ見えていないと思った。」