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インド“牛肉殺人”波紋広がる

2015-11-27 07:30:00 | 報道/ニュース

11月13日 キャッチ!

9月末 インド ニューデリーに近いウッタル・プラディッシュで
牛肉を食べたイスラム教徒の男性が
ヒンズー教徒の集団により自宅を襲撃され殺害された。
イスラム教徒の間では抗議の声が広がっていて宗教対立の再燃も懸念されている。
そのインドでは8割近くの人がヒンズー教を進行している。
そのヒンズー教で雌牛は神聖な存在とされていて大半の州で殺生は禁止されている。
その一方で雄牛や水牛は広く流通が認められていて
イスラム教徒の間で消費されてきた。
しかしヒンズー至上主義団体を母体とするインド人民党のモディ政権が発足して以降
すべての牛について命を奪うことを禁止する動きが相次いでいる。
今年3月にムンバイがあるマハラシュトラ州では「動物保全法」が改正され
雌牛に加えて雄牛も食肉処理や汎愛を禁じる対象となった。
違反すれば最高で禁固10年が課せられる。
また日本をはじめ外国の企業が多く進出するニューデリー近郊のハリヤナ州もこれに追随。
以前から食肉処理は禁じられていたが輸入牛肉の所持・販売も新たに禁止され
レストランでの提供ができなくなった。

イスラム教徒のムハンマドさんは50年間ヒンズー教徒とも友好的に暮らし
長男をインド空軍の軍人に育て上げた。
しかし襲撃の前では何の役にも立たなかった。
月曜日の夜 大勢のヒンズー教徒がムハンマドさんの自宅に押し寄せ
家族の目の前で彼を殺害した。
牛肉を食べ保管しているといううわさが原因である。
噂の発端はムハンマドさんの家の近くで牛の肉の塊が見つかったという地元の寺院の発表だった。
消息筋によると自宅で見つかった肉の塊は
検査の結果牛肉ではなかったということである。
「牛が殺されたという事実はありませんでした。」
隣人たちはショックを受け恐怖を感じて何があったのか語りたがらない。
この村の多くはヒンズー教徒だが
イスラム教徒も70家族が住んでいる。
住民の間に対立は無かったが襲撃は計画的だった可能性がある。
数日後に地方選挙が行われる予定で
それが襲撃の動機かもしれない。
事件の襲撃をあおるような言葉が飛び交っていたということである。
「ソーシャルメディアに流れる噂を信じてはいけません。
 今回の事件はうわさが原因です。」
さらに懸念されるのが住人同士の対立である。
加害者の家族は事件を正当化している。
「今回の事を教訓とすべきです。
 牛を殺したらこういうことになるのです。」
逮捕者の中には中間層の出身で教師やエンジニアの教育を受けた若者がいた。
若者たちはムハンマドさんの家の近くに住み友好的に接していたそうである。

牛肉を全面的に禁止する政策を進めてきたインド人民党のモディ首相は
事件が大きな騒動に発展しても長く沈黙を続けて
事件から10日後の10月8日になってようやく
「我々が戦うべき敵は異教徒ではなく貧困だ。」
と述べて宗教間での融和を呼び掛けた。
こうした政権の対応のまずさが結果として現れたのが
人口1億人の都市であるビハール州で行われた議会選挙である。
8日に開票が行われ
与党インド人民党は議席を40%以上減らし大敗した。
(国際政治学者 堀本武功さん)
「与党のインド人民党が今年2月のデリーの州議会選挙で負けた。
 今度 ビハール州議会選挙でも負けると連敗になる。
 人口が3番目に多い大きな州なので負けるわけにはいかない。
 有権者の大多数を占めるヒンズー教徒の感情をあおって自分たちが有利になる流れにしようと。
 ヒンズー教徒に取って牛は聖牛ですから
 聖牛を食べたなんてことを非難する運動を起こすことによって
 インド人民党に有利になる選挙の環境を作っていこうとした。
 今回 失敗したわけです。
 ヒンズーカードで選挙を勝つ戦略が
 ビハール州の有権者にとって
 それよりもっといい政治を統治をしてくれと。
 物価の安定や犯罪を無くす
 道路などインフラ整備を進めてくれる方がいいよと。
 有権者がインド人民党モディ首相にノーのメッセージを送ったと思う。
 インド人民党と支持母体の民族義勇団が同じ手を使うのは考えにくい。
 結果的に暴動の再発やより発展するとは考えにくい。
 牛肉問題については必要以上に触れないという戦略を取るだろう。
 元に戻って経済改革や経済成長など
 モディ首相が去年 首相になったことやインド人民党が政権を取った理由を考え
 いわば原点に立ち返って政策を進めていくことになるだろう。」

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