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夢の新素材!“未来の紙”開発

2015-11-05 07:30:00 | 報道/ニュース

10月22日 おはよう日本


最先端の紙の研究をしている愛媛大学紙産業イノベーションセンター。
CNF(セルロースナノファイバー)と呼ばれている紙を進化させた新素材。
紙の原料であるパルプの繊維をナノ(10億分の1)レベルにまで小さくして作られる。
セルロースナノファイバーをシート状に固め
さらにプレート状にすると金づちでたたいても壊れない頑丈さである。
通常の紙は1本づつの繊維が太いため
結合が少なく強い構造にはならない。
ところがナノファイバーになるまで小さく分解すると
結合の数が増え
鉄に匹敵する強さを持った素材となる。
(愛媛大学 紙産業イノベーションセンター 内村浩美センター長)
「夢のマテリアル。
 いろんな石油製品(プラスチックなど)に代わる製品に持っていくことができる。
 可能性・ジャンルは非常に広い。」
セルロースナノファイバーを自動車の製造に生かそうという研究も行われている。
京都大学 生存圏研究所 矢野浩之教授はナノファイバーで強化したプラスチックを使って車のボディを軽量化し
燃費を向上させようとしている。
いま取り組んでいるのはナノファイバーでタイヤを補強する研究である。
現在タイヤに使われているゴムは
車の重さを支えるため炭素を加え固くしてある。
ナノファイバーを入れた場合は同じ強さで20%軽量化できることがわかった。
こうした部品を組み込んだ車を3年後に実現したいと矢野さんは考えている。
(京都大学 生存圏研究所 矢野浩之教授)
「自国の資源で高性能な材料を作り
 産業を発展させていく。
 決して夢ではない。」
セルロースナノファイバーの優れた特性に製紙会社も大きな期待を寄せている。
愛媛県にある国内3位の大手メーカー。
ナノファイバーを使ったシートを作り
食品の劣化を防ぐ包装材を開発している。
注目しているのは酸素を通しにくいというナノファイバーの特性である。
開発したシートの一部に空気を送り込み
酸素が透過した量を計測してみた。
通常 食品の保存に使われるプラスチックの袋が一定の酸素を検出したのに対し
ナノファイバーを使ったシートでは全く検出されなかった。
食品や医薬品の袋として数年後に製品化したいと考えている。
(大王製紙 技術開発部 大川淳也さん)
「IT化に伴って紙の需要も減ってきている。
 今後 紙産業の救世主になる素材だと期待をもって研究開発に取り組んでいる。」
植物から生まれたセルロースナノファイバー。
日本の資源を生かした未来の素材がものづくりを変えようとしている。


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