11月6日 おはよう日本
70ページにわたって一部が切り取られた小説。
この推理小説はページをめくると犯人を示す落書き。
石川県の図書館ではこうした利用者の心ない行為が後を絶たないと言う。
能美市立辰口図書館では読書週間に合わせ
利用者が液体をこぼしたりページを破いたりして貸し出せなくなった本を展示。
本を借りる際のマナーについて考えてもらうためである。
(利用者)
「本を大切にしない人がいるのは残念だと思う。」
「悲しいと思う。」
この図書館では
返却された本に傷みがないか職員が点検しているが
すべてをチェックするのは難しいという。
(能美市立辰口図書館 柿原真由美主査)
「切り取られていても中身を1ページ1ページチェックできないので
まだたくさんあるのではないかと思う。」
こうしたなか金沢市立玉川図書館では
利用者たちが図書館の呼び掛けに応じて
ボランティアで傷んだ本の修繕に取り組んでいる。
専門の人から指導を受け
本の表示を外して糊を削ったりして製本し直している。
「これはページが剥がれている。
抜けている。
こういう場合は糊をつけて糊を入れるようにくっつける。」
こうして毎月100冊程度の本がボランティアの手でよみがえると言う。
(ボランティア)
「治せるものはなるべく直して
本の好きな人たちにできるだけ良い読書をしてほしいと思い修理している。」
切り刻まれたりひどい落書きをされた本は
廃棄せざるを得ないのが現状だということである。
さらに深刻なのが本の紛失である。
金沢市立の4つの図書館では
昨年度1,200冊余が手続きせずに外に持ち出されるなどして無くなった。
どうしたら本の紛失を防ぐことが出来るのか。
金沢市が4年前に建てた金沢海みらい図書館。
年間利用者は県内最大で約70万人。
しかし昨年度紛失したのはわずか27冊にとどまっている。
その秘密は本に取りつけられたICチップである。
貸し出し手続きをしないで図書館を出ようとすると音声で警告する。
さらに出入り口を1か所に市絵職員の目が行き届きやすいようにした。
(金沢市立金沢海みらい図書館 木村英司主任主事)
「図書館の本は税金で購入しているものなので
市民の共有の財産
大切に使ってほしい。
これからもたくさんの利用者に来ていただいて
新しい本に出合える図書館にしていきたい。」
大勢の人が利用する図書館の本。
公共の財産を守ることが出来るのか。
利用者のマナーが問われている。