10月21日 キャッチ!
10月 ウラジオストク近郊にカジノを備えたリゾートホテルがオープンした。
ロシア政府が中国マカオの企業から日本円で150億余の投資を得て建設。
800台を超えるスロットマシーンやゲーム用のテーブルをそろえている。
(中国人観光客)
「とても興奮しています。
中国からすぐ近くなので観光客がたくさん訪れると思います。」
(ロシア沿岸地方 シェスタコフ観光局長)
「ターゲットは中国・日本・韓国です。
観光のないようには満足していただけると思います。」
シベリア鉄道の終着駅があるウラジオストク。
首都モスクワからは9,000㎞余離れている。
ソビエト崩壊後は経済成長から取り残され人口の減少が続いていたが
ロシア政府はいま極東地域の開発を国の優先課題に位置づけこの街に力を注いでいる。
プーチン大統領は9月
経済成長するアジア各国との結びつきを強めながら極東の発展を進めていく方針を打ち出した。
(ロシア プーチン大統領)
「ロシアの発展は極東地域にかかっている。
成長著しいアジア太平洋地域との経済の一体化を進めるべきだ。」
地域の経済発展を促すうえでの大きな柱のひとつが観光である。
軍事閉鎖都市だったソビエト時代のウラジオストクは外国人の立ち入りは厳しく制限されていた。
それがいま
モータースポーツの国際大会が開かれるサーキット場に
本格的な演劇などが楽しめるオペラ・バレエ劇場
観光スポットが続々と建設されている。
現在 年間約30万人とされる外国人観光客を
10年後には800万人にする計画である。
エネルギー開発一辺倒ではなくサービス産業も発展させることで
この地域の息の長い成長を促そうという狙いである。
特にウクライナ危機以降
通貨ルーブルの下落などで経済の低迷が続いていることも
アジアからの観光客を増やして外貨を獲得しようという動きを強めている。
これまで取得手続きが煩雑だったロシアへの入国ビザ。
プーチン大統領はウラジオストク周辺の市区町村に限って現地で取れるようにする方針を表明した。
(ロシア プーチン大統領)
「ウラジオストクから入国する外国人は現地で短期ビザを取得できるようになる。」
この入国ビザの取得要件の緩和に合わせ
中国と韓国、そして日本からも観光客を呼び込む動きが出ている。
ウラジオストクに支店がある日本の旅行会社。
もともと地元のロシア人向けの海外旅行を手掛けていたが
ルーブルの下落で取り扱いが激減。
今年から日本人観光客を呼び込む方針に大転換した。
ビザの取得が簡単になることで日本からの観光客が増えるのではと期待している。
日本人向けのチラシも初めて作り観光客の一層の増加を図っている。
この日は群馬県から企業経営者などの団体が観光に訪れた。
最近は企業の視察を兼ねた観光の問い合わせが増えていると言う。
(HIS ウラジオストク支店 大室聡志支店長)
「今まで韓国や台湾とかの近場のアジアだったのが
じゃあウラジオストクにも行ってみようかなということで大きく数が伸びてくると思います。」
欧米との対立が続くなかアジアとの経済活動の促進を図るプーチン政権。
極東の街ウラジオストクが観光都市として発展できるのかがそのカギを握っている。