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マンガアプリ 人気の秘密は

2015-11-09 07:30:00 | 報道/ニュース

10月27日 おはよう日本


いま漫画雑誌の売り上げが落ち込んでいる。
20年前をピークに年々減少。
去年は1,300億円余と6割以上も減っている。
こうしたなか代わりに人気を集めているのがスマートフォンでマンガを読めるマンガアプリ。

東京で1人暮らしをしている岩田真澄さん(23)。
休日や仕事の合間など時間を見つけてはマンガを読んでいると言う。
かつては毎週欠かさず雑誌を買っていたが
いまはもっぱらスマホ。
(岩田真澄さん)
「週刊誌と違ってその日その日に楽しみがある。」
岩田さんが利用しているマンガアプリは
開くとまず読者に人気の作品がずらりと出てくる。
さらにさまざまなジャンルの中から好きな作品を選んで読むことができる。
その数なんと5,000以上。
しかも利用料は無料である。
岩田さんはその日の気分に合った作品との新たな出会いを楽しんでいると言う。
(岩田真澄さん)
「毎日が驚きの連続。
 いちばん自分が共感や感動できる作品を見つけるというのも楽しみ。」
岩田さんが利用しているマンガアプリを運営している会社。
毎日10を超えるアマチュア作家の作品が届く。
ここでは公序良俗に違反しないかとという最低限のチェックだけは行うが
作品はほぼすべてそのまま掲載している。
雑誌の編集者のようにどの作品を掲載するか選別することはない。
雑誌の場合ページ数に制限があるため編集者が選んだ作品だけが掲載されてきた。
そのため雑誌を購入した人しか読むことが出来なかった。
しかしマンガアプリの場合ページ数に制限がなく
膨大な数の作品をそのまま掲載することが可能である。
さらにスマホで多くの人たちが手軽にその作品を読むことができる。
しかも無料である。
ではなぜビジネスになりうるのか。
その秘密はマンガアプリにある応援ボタン。
押すと読者は自分が気に入った作品に投票することができる。
読者からの応援が増え人気が高まると会社はその作家とプロとして契約。
会社は読者に人気が高い作品の関連グッズを販売したり書籍化するなど
2次展開を図って収益を上げている。
こうした読者が人気作家を選ぶ仕組みはマンガアプリを運営する会社に取って今後大きなビジネスチャンスになると言う。
(NHNcomico プロデューサー 吹田沙矢さん)
「誰でも投稿にチャレンジできて 
 すぐユーザーに見てもらえて
 ファンもその場でついていくものなので
 気付けなかった金の卵も誕生しやすい。
 それをビジネスとして育てていけたらいいと思っている。」
マンガアプリによって作家にとってもこれまでにない可能性が広がっている。
プロ契約をしている作家の1人 林檎子(めるこ)さん(21)。
自らが高等専門学校で学んだ経験をマンガにしている。
主人公は女子高生ならむ女子高専生。
普通の女子高生が授業の実習で作るのは甘いケーキ。
ところが女子高専生が実習で作るのは・・・コンクリート。
描くのは建築や土木など専門性が高い教育を行う高専を舞台にした女子高専生のちょっと変わった日常生活。
マイナーな世界にもかかわらず読者から人気を集めている。
(林檎子さん)
「くすっと笑えるような作品作りを意識している。」
幼いころから漫画家になることを夢見ていた林檎子さん。
これまで雑誌に投稿してきたが反応はほとんどなく
作品を人に見てもらえる機会はあまりなかった。
(林檎子さん)
「マンが家になりたいって気持ちがあっても
 やっぱり就職した方がいいのかなとかやめた方がいいのかなっていうのは何回も感じていました。」
多くの人に自分のマンガを読んでもらいたい。
林檎子さんはマンガアプリの存在を知り作品を投稿。
すると読者から支持が集まりプロとしてデビューすることができたのである。
さらにマンガアプリの魅力は作品作りに読者の反響をすぐに生かせることだと言う。
金髪のキャラクター くるみちゃん。
愛らしい表情と関西弁のギャップで大人気に。
(林檎子さん)
「“くるみちゃんかわいい”とか読者がいっぱい書いてくれて
 キャラが好きっていわれたら作品に出してあげたくなります。」
読者からの反響を受け急きょくるみちゃんの出番を増やすことにした。
(林檎子さん)
「更新されたなって自分のマンガ見に行ったらもう読者がコメントくれていたりする。
 雑誌とは違いますね。
 マンガアプリに投稿を始めていなかったら今頃何してたのかなってっ感じですし
 描き続けられたのも読者からの応援があったから。」
編集者ではなく読者によって新たな才能が発掘されるマンガアプリ。
ここに出版社の力が加わることで発掘された才能をさらに伸ばし
マンガ文化をより豊かにしていくことができると専門家は言う。
(出版科学研究所 若林秀樹研究員)
「作家をどう伸ばしていくかに関しては
 知識や経験というものを今まで受け継いできたのは出版社だと思う。
 その蓄積してきたものを新しいマンガアプリが出てきたときにどう生かすかということが
 今後問われていくと思います。」



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