10月31日 経済フロントライン
今年1月に経営破たんしたスカイマーク。
10月 新しい経営体制が発足し再生に動き始めた。
スカイマーク 市江正彦新社長は
日本政策投資銀行に勤め
航空会社のエアドゥやスーパーのダイエーなど企業の再生に携わってきた。
スカイマークはどのように再生しようとしているのか。
まず始めたのが不採算路線の見直しである。
スカイマークは仙台空港から撤退した。
搭乗率が5割を切る月も出ていたからである。
(スカイマーク 仙台空港支店 有働圭一郎支店長)
「お客様にとっていい航空会社の生まれ変わるための前向きな運航休止。」
スカイマークは破たん前
羽田や神戸を中心に13空港に就航し24路線を展開していた。
それを今回9空港16路線に減らした。
さらに取り組んだのが航空機種の絞り込みである。
小型機のボーイング737(177人乗り)
すべてをこの1機種だけにした。
破たん前はより多くの人を運べるエアバス330(271人乗り)と2機種使っていた。
しかし客席がうまらないこともたびたびあり経営の重荷となっていた。
今回1つの機種に絞り込んだことで搭乗率が上がるとともに
整備も効率的になり
コスト削減につながっていると言う。
(スカイマーク 市江正彦社長)
「民事再生に陥った。
早く体を鍛えなおして一人前にならないといけない。
過去のサービスが悪いだろうとかマイナスイメージを持っている方が多い。
できるだけ多くの方に今のスカイマークを体験してもらい
いいねと言ってもらう。
過去のスカイマークを変える。」
最も力を入れているのが新しい顧客の獲得である。
市江社長が訪れたのは神戸空港。
神戸はスカイマークが発着枠の7割を占め大きな収益が見込める拠点である。
(スカイマーク 市江正彦社長)
「特に神戸空港はスカイマークにとって非常に重要な場所。
とにかく神戸空港がよくなれば会社の業績は絶対上がる。」
神戸空港の利点を生かして強化しているのがビジネスマン向けの格安航空券である。
東京=神戸 10,000円
法人契約を結べば搭乗の1時間前まで予約でき
しかも取り消しや払い戻しの手数料がかからないというものである。
大手航空会社の正規運賃(通常期25,200円)や新幹線(通常期15,100円)と比べて割安である。
スカイマークではいま中小企業向けの営業に力を入れている。
(スカイマーク 市江正彦社長)
「特に大事なのがビジネスマン。
提示に決められた日に決められた時間に着ける。
これを出来るとビジネスのお客様がもっと利用すると思う。」
さらに新たに打ち出したのが地域密着の戦略である。
国内線ではスカイマーク1社のみが就航する茨城空港。
10月から修学旅行向けのチャーター便の運航を始めた。
地域に欠かせない航空会社としてスカイマークの知名度を上げようというのである。
(修学旅行生)
「こんな雰囲気なかなか味わえない。
新鮮でドキドキワクワクしている。」
「中名か飛行機の前で写真撮れない。
こういうサービスってない。」
空港以外でも茨城県内のバス会社とタイアップし広告を掲載。
集客の相乗効果をねらっている。
(茨城交通 任田正史社長)
「スカイマークの乗客が増えることは2次交通であるバスの乗客も増える。
その地域の活性化にもつながる。」
サービスの水準を高めるため客室乗務員の教育も始めた。
これまで接客については1人1人の裁量に任せていたが
研修専門の部署を起ち上げ細かく指導している。
(客室乗務員)
「ちゃんと接客を学んだのは初めて。
日々の業務に生かせるように学んで身に付けたい。」
激しい競争の中でスカイマークは存在感のある会社として生まれ変わることができるのか。
その取り組みは始まったばかりである。
(スカイマーク 市江正彦社長)
「LCCを目指しているわけでも大手を目指しているわけでもない。
ベーシックな気持ちいいサービスをお客様に提供して
それを出来るだけ安くやると賛同してくれる人が多いと思う。
皆さんに乗ってもらったからには
『ダメじゃないか』と言われないようなきちんとしたサービスをしたい。
それによって絶対良くなる。」