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低糖質お好み焼き粉に込めた思い

2017-06-11 17:30:00 | 報道/ニュース

5月20日 おはよう日本


低糖質が売りのお好み焼き。
(客)
「糖質がすごく少ないし
 たくさん食べても普通のお好み焼きと比べて罪悪感がないっていうのがいい。」
秘密は使っている粉にある。
このお好み焼きの粉は
香川県薬剤師会の検査によると
1枚分の糖質は0,72gで
一般的なお好み焼き粉と比べ糖質が大幅にカットされているという。
この粉を開発・商品化した齊藤眞理さん。
さまざまな職業を経験してきたが
40歳を過ぎて思い切って起業した。
きっかけは父親が腎臓の病気で苦しんだことだった。
(齊藤眞理さん)
「水を飲めなかったり果物を制限していたり
 食事の面でいろいろつらい面があり
 家族もやはりつらい。
 楽しくなる
 そしておいしくなる食品が食事制限をしている人にもあったらいいなと。」
なんとか糖質を気にせずにおいしい食事ができないか。
試行錯誤の末
自ら配合して完成させたのがこのお好み焼き粉である。
(齊藤眞理さん)
「おからの粉とオオバコという植物の粉
 それとだしなどを混ぜて
 低糖質に作ることに成功しました。」
このお好み焼き粉をいろいろな人に食べてもらいたいと
齊藤さんは一昨年
低糖質の食品を製造する会社を1人で設立した。
何もわからなかった齊藤さんが頼ったのが
国が全国に設置した中小企業などの経営相談所
よろす支援拠点である。
事業のノウハウなど経営上のあらゆる悩みに専門家が無料で対応してくれる。
(香川県よろず支援拠点 柴田直美さん)
「とっても熱いお嬢さんというか
 こちらとしてもサポートさせてもらって
 実際に創業してもらって
 元気に頑張っているところを見るのがすごくうれしい。」
さらに斎藤さんは
事業を確立させるため活動の拠点を確保したいと考えた。
高松市が開設した起業家たちの活動のサポート施設
創造支援センター。
ここでは独自性のある起業化などに低料金で事務所を貸してくれる。
創業支援を担当する田村俊介さんは
この施設の入居審査で斎藤さんの熱い思いに打たれたという。
(高松市産業振興課 田村俊介さん)
「お父さんの話をされたのですけど
 好きなものを食べられないというエピソードを聞いたときに
 不覚にもちょっと涙してしまいまして。」
しかし事業を始めた当初はひたすら飛び込み営業しても相手にされず
お好み焼き粉を販売してくれる場所はなかなか見つからなかった。
それでもその熱意に打たれ
やがて病院の病院の売店などで販売されるようになり
少しずつ販売数も増えていった。
(客)
「ちょっとモチモチした感触で非常においしかった。
 低糖質というところを気に入って買うようにした。」
(病院の売店店長)
「プラスアルファのものを求めている
 提供するということを今考えているので
 これからの斎藤さんと一緒に販売を続けていきたいと思っている。」
(齊藤眞理さん)
「1人で事業をやっているので
 皆さん勝手に自分の仲間だと思わせてもらっているので
 喜んでいただけるのもうれしいです。
 商品のレシピを変えたりして前に進んでいこうと思っています。」
低糖室食品を広めようと奮闘する斎藤さん。
多くの人に支えられながら挑戦は続く。

齊藤さんは今年2月
独創的なビジネスプランを表彰する香川産業支援財団のコンペで最優秀賞を受賞している。
糖質は体に必要なエネルギー源なので減らし過ぎないよう注意することも必要である。
専門家は
「糖尿病で薬を処方されている人などは
 低糖質の食品を使う前に医師と相談してほしい」と話している。



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出世を待ってるよ

2017-06-11 06:00:00 | 編集手帳

6月1日 編集手帳

 

 なかなか芽の出ない相撲取り、
駒形茂兵衛(こまがたもへえ)は一文無しの空腹を抱え、
水戸街道の宿場町を通りかかる。
長谷川伸の戯曲『一本刀土俵入』である。

酌婦のお蔦(つた)に温かい言葉と銭をもらい、
人の情けを知った。
茂兵衛はお蔦に告げる。
〈姐(ねえ)さん、
 わしはどんなに出世しても駒形茂兵衛で通します〉。
しこ名は変えない。
あの時の相撲取りが横綱になったのだと、
姐さんに気づいてもらえるように…。

大関になってからも本名をしこ名に用いるのは、
昭和以降で4人目という。
大相撲の高安関(27)(本名・高安晃)が大関に昇進した。

順風満帆でここまで来た力士ではない。
相撲の世界になじめず、
何度も部屋から逃げ出している。
人の情けに救われた日もあったろう。
汗と涙のしみついた「高安」の名前で晴れ姿を見てもらいたい恩人を、
たくさん持っているに違いない。
本名のまま綱を張った輪島の例もある。
この欄で“輪島以来”と書ける日が待ち遠しい。
「正々堂々精進します」。
いい口上である。

お蔦が茂兵衛にかけた言葉は、
ファンの気持ちそのままだろう。
〈その料簡(りょうけん)でみッちりおやり。
 出世を待ってるよ〉

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