6月2日 おはよう日本
パキスタンにある日本大使館ですしを握るのは
大使館の1等書記官 芦田克則さんである。
パキスタンで獲れたマグロやエビを取り寄せ
大使館主催のパーティなどで自慢のすしをふるまう。
外交官の芦田さんはあることがきっかけで任務としてすしを握るようになった。
以前アフガニスタンで勤務していたとき
各国の外交官を招いた食事会ですしを握ったところ
外交官たちは大感激。
会話もはずみ
外交交渉の根回しにすしが活躍したというのである。
(在パキスタン日本国大使館1等書記官 芦田克則さん)
「結構難しい内容や根回しがいるような話も非常に好意的にやってくれる。
すしがなければここまで教えてくれたり協力的になってくれなかったんじゃないかと。
まさに“すしの外交”というふうに実感しました。」
いまパキスタンでは中国がインフラ整備の支援に乗り出し存在感を強めている。
そんななか「負けてはいられない」と芦田さんは動き出した。
人気の情報バラエティ番組に出演し
現地の言葉で解説を交え
寿司づくりを実演して見せた。
(番組司会者)
「もうステキ!
彼の腕前は本当にすばらしいわ!」
すしを握り
交渉相手をとりこにする。
芦田さんは仕込みの手を休めることはない。
(在パキスタン日本国大使館1等書記官 芦田克則さん)
「われわれは“親日家”“知日家”を増やすのが仕事。
そのツール(手段)というか
アセット(財産)としてすしは“完全な武器”ですから。
どんどん“親日家”“知日家”を増やしていきたい。」
芦田さんはこのすしの握り方を独学で覚え
ホームパーティで寿司を出していたということである。