5月25日 キャッチ!
中国では近年
都市部ではペットを飼う人が急増していて
2020年には市場の規模が日本円にして3兆5千億円を超え
10年間で15倍になるとも言われている。
6日に上海で開かれたペット博覧会。
犬や猫のための商品を扱う業者が全国各地から集まるこのイベントは今年で6回目を迎えた。
去年よりブースが2割増えた会場に詰め掛けたのはペットを連れた多くの飼い主たち。
中国のペットの数は今や1億以上にのぼるとされ
市場のすそ野は拡大する一方である。
美容関係のブース。
(ブース担当者)
「経済が発展しているので
ペットへの愛情や関心はますます高まっています。」
大手保険会社も“ペット新時代”といううたい文句でペットの医療保険に参入した。
そしてなんといっても注目はペットの健康関連商品である。
消化を助ける効果がある中国原産のサンザシなどの原料を使ったペットフードが人気を集めていた。
(来場者)
「エサ代だけで月に1万5,000円。
ペットにはお金を惜しまないわ。」
しかしペットの体調が悪くなったらどうするのか。
上海の住宅街の一角にある動物病院。
足腰を悪くしたペットの予約でいっぱいだというこの病院は
中国の伝統医療を施す専門病院である。
中国医学を身につけた獣医師で現場責任者の金日山さん。
治療を施すペットの数は年間5,000以上だという。
この日病院にやって来たのはゴールデンレトリバーのスヌーピーくん(13)。
高齢で足腰が弱り自ら歩くこともままならないという。
治療方法はお灸。
人間と同じように腰を繰り返し温めてもらう。
(飼い主)
「効果が出ているよ。
完治してほしいね。
病気は重いけど奇跡を願うよ。」
そして中国医学の定番
はり治療である。
(獣医師 金日山さん)
「はりは多いと20本くらい。」
治療を受けているのは自宅で転んで首を痛めたというスピッツのジェミーくん(9)。
最近週に4回は通っている常連だが
針を刺されると「ワン!」。
動物への針治療は実は中国では長い歴史がある。
いまから2600年余前の春秋・戦国時代。
乱世が続いたこの頃
軍事力として重要な役割を果たしたのが馬だった。
歴史書には
“馬の健康管理の手法が研究された結果
馬への針治療が行われるようになった”と記されている。
針治療を受けるペットの表情はさまざま。
痛みにじっと耐えるネコ。
数十本の針もなんのそのというイヌ。
慣れた様子でリラックス。
患部の血行をよくするために針を刺したあと電気で30分ほど刺激を与える。
治療代金は針とお灸セットで1回約4,000円である。
(飼い主)
「これで70数回目の針治療です。
最初は大丈夫でしたが
この子も毎日針を見てだんだん痛いものだとわかってきました。」
(獣医師 金日山さん)
「6~7年前まではペットが病気になると捨ててしまう人がいた。
いまは数十万かけてでも治そうとしている。」
豊かさとともに生活が変わってきた中国。
ペットへの愛情もますます深まっている。