9月6日 キャッチ!
ベルリンで毎年開かれる世界有数の家電ショー。
今年は9月6日まで開催され約1,800社が最新の製品を披露した。
円筒形のソニー製スピーカーは
マイクが内蔵され家中の家電を音声で操作できる。
「電気をつけて。
明るさは100%で。」
サムスン製の冷蔵庫はタッチパネル付き。
インターネットとつないで料理のレシピを調べることもできる。
各メーカーはIoT技術をどう製品に生かしていくか工夫を競う。
パナソニック製未来の乾燥システムは
洗濯ものを入れると
その素材が何かやどの程度汚れているかをセンサーで確認する。
そしてインターネットを経由して蓄積したデータにアクセス。
それをもとに素材に合わせた最適な方法で洗う。
通常の荒い方に比べて衣服の傷みが少なくなり
お気に入りの服を長く着られるようになるという。
オランダのフィリップスが展示したのは赤ちゃんに関わる製品。
ミルクをいつ・どれだけの量を・何分かけて飲んだか計測する。
体温計でそのときどきの体温や計った時間を記録。
これらのデータはスマートフォンで一括して管理し
医師と共有することもできる。
IoTの技術は暮らしとつながってこそ価値があるとメーカーは強調する。
(フィリップス担当者 リアット・ベン・ザーさん)
「IoTを使って
赤ちゃんが正常な状態か常に医療専門家と常に把握していれば
慌てて医療機関に駆け込む必要もなくなります。」
IoTを使ったシステムの有用性は公共サービスの分野でも注目されている。
ロンドン近郊に拠点を置くアーバンコントロール社。
街灯を管理するシステムを開発し自治体への導入が進んでいる。
その仕組みは
街灯の1つ1つにセンサーが付けられ電球が切れると自動で通知される。
またそれらの情報はタブレット端末で確認できるので管理しやすくなる。
さらに街灯の明るさを周囲の通行量に応じて調整することも出来るという。
(アーバンコントロール社責任者 スチュアート・ウィルソンさん)
「街灯の光量を慎也とラッシュ時とで同じにしていたら電力の無駄です。
通行量に合わせて光量を変えれば電力を節約できます。」
さらに幅広く行政サービスに生かそうと動き始めた自治体もある。
ロンドン東部のグリニッジ区である。
オフィスにIoT導入のために新たに設けた専門の部署。
日本の大手電機メーカーNECの技術を使って
交通や福祉など区が持つあらゆる情報を1つに集め
サービスの効率化にどうつなげていくのか
ベンチャー企業とともに検討している。
その1つがゴミの収集である。
同じNECのシステムを使ったスペインのサンタンデール市では
ゴミ箱に取りつけられたセンサーがゴミのたまり具合を計る。
収集車はいっぱいになったものから集めるので
空のゴミ箱を回収するような無駄はない。
グリニッジ区はIoTなしで今後の行政運営は成り立たないと考えている。
(ロンドン グリニッジ区 デニーズ・ファイランド区長)
「IoTはコストを削減しお金を上手く使う
より良いサービス提供のための手段です。
我々にはよりスマートな行政運営が求められているのです。」
あらゆるものがインターネットにつながる現代。
暮らしや社会をより豊かにする可能性を秘めている。