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フランス 伝統の味を守れ!村のパン屋さん

2017-10-08 07:00:00 | 報道/ニュース

9月14日 キャッチ!


フランスの食生活になくてはならないのがパン。
パリの朝と言うと
長いフランスパンを脇に抱え行きかう人の姿をよく見かける。

フランス南部の小さな村。
人口約360人のサンチュラリードルド。
フランスで最も美しい村のひとつに認定され
夏には多くの観光客が訪れる。
しかしその一方で年々進んでいるのが高齢化と人口減少である。
子どもたちは数えるほどになり
学校は廃校になった。
そうしたなか村の人たちの生活の支えとなっているのが
70年続く村で唯一のパン屋さんである。
この店のパンは柔らかく小麦の香りが強いうえに
木の香りが漂うのが特徴である。
(買い物客)
「この店のパンが買えないことになったら私は生きていけないね。」
村でただ1人のパン職人 ジャンイブ・オードさん(60)。
3代目として伝統の味を守り続けてきた。
オードさんが愛用しているのは創業当時のかまどである。
毎朝4時間かけて約80個のパンを焼き上げる。
今年還暦を迎えたオードさん。
体力の衰えを感じ
売れ行きも伸び悩むなか
この春
店をたたむ決意を固めた。
(パン職人 ジャンイブ・オードさん)
「フランス人の生活様式も変わり
 私のパンは売れなくなりました。
 どこにでもある冷凍パンを好んで買うようになったからね。」 
オードさんの話を聞きつけてすぐに起ちあがったのは村の人たちだった。
後継者を探して
オードさんの店を存続させようというのである。
今年5月
村の人口の3分の1にあたる100人余が資金を出し合い 
パン工房の救済作戦が始まった。
近郊の街に求人広告を出したり
オードさんのパンを広く知ってもらうため
メンバーがボランティアで街に出たりして販売。
活動の中心となっているグザビエ・コランさん(56)は
週に3回
約10キロ離れてた村まで出来たてのパンを届ける。
(ボランティア グザビエ・コランさん)
「パン屋を存続させたい気持ちがあれば必ず解決策はあるはずです。」 
村の人たちの熱意の押されてオードさんも新たな試みを始めた。
観光客にパン工房を案内し
自分が守ってきた伝統の技を知ってもらおうというのである。
(観光客)
「伝統の焼き方を教えてもらえるので本当にうれしいです。
 フランスで消えつつある伝統だからね。」
コランさんたちが活動を始めて4か月。
ついに村の人々の思いが実を結ぶ時がやってきた。
後継者を探しているという情報を聞き付けて
ひとりの若者が名乗りを上げたのである。
約50キロ離れた町の菓子職人 サミー・テラソンさん(29)。
美しい村に残る伝統の工房で自分なりのパンを焼きたいと
恋人とともに村に移り住むことにしたのである。
9月からオードさんの指導のもとパン作りの修業が始まった。
テラソンさんはバゲットから菓子パンまで
全て手作りで焼き上げるようになりたいという。
(サミー・テラソンさん)
「自分の作ったパンが村の人々に受け入れられるようにしたい。」
(パン職人 ジャンイブ・オードさん)
「このパン屋を再び村民の集いの場にして
 村に活気を取り戻したいです。」
フランスで最も美しい村の食を支えてきたかまどの炎は
消えることなく次の世代に引き継がれようとしている。




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