9月14日 おはよう日本
“ショッピングモールの歌姫”こと半崎美子さん。
買い物客が行きかう場所で
日常にある喜びや悲しみを歌い
人々に深い感動を与える半崎さん。
いまその歌声は海を越えて広がっている。
半崎さんの歌はいま台湾で広がっている。
地元のテレビ局が半崎さんを“売場歌姫”と紹介。
歌詞を翻訳して伝えたところ多くの反響があった。
そして9月
台湾へ渡り
初の海外ライブを行うことになったのである。
もちろん舞台はショッピングモールである。
(シンガーソングライター 半崎美子さん)
「きょうはどんな出会いがあるのか
楽しみです。」
台湾でも日本語で歌う半崎さん。
それでも多くの人が歌声に聞き入った。
この会場に1時間かけてやって来た夫婦がいる。
黄さん夫妻である。
半崎さんのある歌を聴きたかったのである。
それは交通事故で最愛の息子を失った母親の悲しみを受け止め
励ますために作った歌である。
(半崎美子さん)
「この歌は大切な息子さんを亡くして
その家族の勇敢な背中をたたえたいと思って書きました。」
(「明日へ向かう人」)
♪声をからして泣いても
たどり着けない場所がある
前を向くそれだけでも
つらいことが時にはある
それでもあなたは進むことをあきらめないで
実は黄さんたちも2年前に一人娘を亡くした。
血液の病気で8歳でこの世を去った。
死の4日前に病室で娘に頼まれて録音した声が残されている。
「私のことは心配しないで。
私は強い子だから。」
(黄さん)
「娘は周りが心配しないようにふるまっていたんです。」
「耐えられません。
涙が止まりません。」
亡くなって2年
ふたりはいまも死を受け入れられず娘の部屋はそのままにしている。
悲しみに暮れるなか
突然て微から流れてきたのが半崎さんの歌だった。
前を向けない自分にそっと寄り添ってくれる言葉。
黄さんは救われた思いがしたのである。
(黄さん)
「本当に悲しいときに前なんて向けないです。
この歌は傷ついた心にただ寄り添ってくれました。」
黄さんはその感謝を伝えたくて半崎さんに思い切ってメッセージを送った。
(黄さん)
あなたの歌は
私たちの心を温めてくれました。
いつかあなたの生の声を聴いてみたいと願っています。
すると思いがけない返信があった。
9月に台湾でライブをします。
そのときにお会いしましょう。
♪悔し涙を流した時
心の奥が熱くなった
前を向くそれだけでも
つらいことが時にはある
それでもあなたは進むことをあきらめないで
半崎さんから招待を受け黄さんは控室をたずねた。
(黄さん)
「あなたの歌を聴いて感動しました。
あなたの声は私を癒してくれます。
これからも歌い続けてください。」
(半崎美子さん)
「私は初めて台湾でライブをしに来ましたが
あなたに会えただけで台湾に来た意味がありました。」
人々の悩みや思いにそっと寄り添う半崎さんの歌。
いま国境を超えて人々を包み込んでいる。