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20年 78億キロの旅 探査機「カッシーニ」への思い

2017-10-10 06:30:00 | 報道/ニュース

9月15日 国際報道2017」


20年前にNASAアメリカ航空宇宙局などによって打ち上げられた土星探査機「カッシーニ」が
日本時間の9月15日午後2時前
土星の大気圏に突入したことが確認され
ミッションを終えた。

カッシーニのプロジェクトに30年近く関わってきた科学チームのリーダー
リンダ・スピルカー博士。
土星の研究が専門のスピルカー博士は
「カッシーニ」によって分からなかった世界が見えてきたと言う。
(NASA カッシーニ・プロジェクト スピルカー博士)
「土星の輪をこれまでにない解像度で見られて
 手で触れそうに感じた。
 本当に素晴らしかった。
 素晴らしい宇宙船にさよならするのは本当に悲しいけれど。」
「カッシーニ」は1997年10月
アメリカ フロリダ州から打ち上げられた。
20年間で旅したのは78億キロ。
地球と月の間を1万回往復したのと同じ距離である。
司令室では技術者や研究者が「カッシーニ」の状況を24時間体制で監視。
刻一刻と送られてくる画像やデータから多くの成果が上がったという。
土星の象徴ともいえる輪。
何重にも重なっていることが精細な画像で確認された。
土星の北極上空の映像では
ジェット気流が六角形を描くように循環する現象の撮影に成功した。
さらに「カッシーニ」の最大の発見とされるのが
土星の衛星エンケラドスの探査である。
地表の割れ目から噴き出ているガスを採取。
地下深くにエネルギー源があることを突き止め
微生物が生息できる環境が存在する可能性を見出した。
「カッシーニ」を制御するコンピューターシステム担当の技術者
モリ―・ビットナーさん。
技術者たちにとって最大の難関の1つとなったのは
土星の大気などを観測するため表面から約3,000kmまで近づくことだった。
しかし輪の内側は氷などのちりが高速で飛び交い
衝突して壊れる可能性があった。
(「カッシーニ」制御担当 技術者 ビットナーさん)
「オペレーションのときにここにいましたが
 ちりがたくさんあるかも分からず何が起こるか不明だった。」
今年4月にこのミッションは行われた。
「カッシーニ」は衝突を防ぐためアンテナを進行方向に向け盾のようにしながら
無事に輪の内側を通過することに成功したのである。
(「カッシーニ」制御担当 技術者 ビットナーさん)
「初めての信号を受信したとき
 すべてがうまくいったことに興奮と誇りを感じた。
 素晴らしかった。」
「カッシーニ」に熱い思いをはせるのは科学者だけではない。
ニューヨークに住むアーテイスト
サイモンン・クーパーさん(25)。
子どものころから遠い宇宙を旅する「カッシーニ」に大きな憧れを抱いていたと言う。
(アーティスト サイモン・クーパーさん)
「地球から出て宇宙に何があるか冒険するのは
 人類の営みのうちで最も大事なこと。」
「カッシーニ」が最期を迎えるにあたってクーパーさんは仲間とともに
「カッシーニ」をモチーフにした展覧会を開いた。
(アーティスト サイモン・クーパーさん)
「カッシーニがなくなってもまたカッシーニについて話し
 いい思い出とともに振り返るよ。」
そして迎えた最後の日。
カッシーニの信号が消えました
この素晴らしい偉業を誇りに思います
皆さんおめでとう!
「カッシーニ」は地球との交信を断ち
土星の大気圏に突入しミッションを終えた。
(NASA カッシーニ・プロジェクト スピルカー博士)
「土星到着後13年間でカッシーニが送ってきたデータを完全に理解するには
 おそらく何十年もかかるでしょう。
 もしもカッシーニに何か言うとしたら
 “土星のリングサイド席にありがとう”と言いたい。」


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