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アメリカの歴史にみる武器所有の権利

2017-10-09 06:30:00 | 編集手帳

10月6日 編集手帳

 

 建国当初の米国では、
農民一揆が治安を揺るがしたらしい。
世界的なベストセラー『学校では教えてくれない本当のアメリカの歴史』(上巻、あすなろ書房)に詳しい。

政府に言われるまま借金をして土地を得たものの、
返済に苦しみ、
そのうえ重税を課された。
払えないと土地や家畜、
病人のベッドまで徴収された。
裁判所を怒り狂った農民が襲う騒ぎもあったという。

貧しい者に目を向けない国に、
著者の政治学者ハワード・ジン氏は
<建国の父たちとは本当に聡明(そうめい)な人々だったのだろうか>と問いかけている。
政府高官や銀行家は反乱におびえたことだろう。
米憲法に武器所持の権利が盛られたのも1791年、
この時代である。

そこにつなげると、
先の問いの答えはすでに出ているかもしれない。
銃撃事件が日々発生する。
ラスベガスではついに、
数百人もの人々が死傷した。
おかしな男がたった一人で大量のライフルを準備し、
コンサート会場に銃弾の雨を降らせた。

ワシントン、
ジェファーソン…
お札の肖像画がきりっとした表情を崩さぬように、
権利とやらも何も変わらない――アメリカの現実だろう。



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