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オーストラリア アルパカに商機あり

2017-10-28 06:00:00 | 報道/ニュース

10月7日 おはよう日本


東京自由が丘にあるアルパカ専門店。
冬を前にアルパカのセーターやマフラーを求めて全国から客が訪れている。
(客)
「ウールと違って手触りが良かった。
 その感触の良さにひかれた。」
アルパカの毛は羊毛に比べ軽くて保温性に優れていると言われ
高級繊維として人気が高まっている。
(アルパカ専門店店長)
「軽くて暖かい。
 毛足が長いので毛玉になりにくい。
 アルパカ人気はどんどん上がっていると思う。」
こうした需要の高まりに目をつけたのが畜産大国オーストラリアである。
オーストラリアで行われたアルパカのオークション。
この日の最高値は約480万円だった。
(バイヤー)
「競り落としたアルパカは毛並みが良く柔らかくて
 チクチクしない。」
生産者団体によるとアルパカの生産は年々増えていて
今年はすでに去年の1,5倍にあたる3,000頭が輸出されたということである。
もともと南米が原産のアルパカ。
標高が高く
寒さの厳しい場所で放牧されている。
オーストラリアに輸入されたのは約30年前。
オーストラリアの中でも比較的気温が低い内陸部を中心に飼育されるようになった。
圧倒的なシェアを誇る南米産に対抗しようと
売りにしているのは徹底した品質管理である。 
アルパカ農家のイアン・フリスさん。
9年前にアルパカの飼育をはじめ
今では3つの牧場で合わせて5,000頭を育てている。
フリスさんが重視しているのは栄養状態の確認である。
毛の品質は栄養状態に左右される。
栄養が多すぎると毛が太くなり柔らかさが損なわれる一方
不足すると毛は細くなり劣化する。
そこで些細な変化も見逃さないよう利用しているのは
アルパカを1頭ごとに管理するソフトである。
体重はもちろんいつえさを与えたのか
そしてどんなワクチンを接種したのか
耳に埋め込んだICチップを利用して情報を個別に記録している。
(アルパカ農家 イアン・フリスさん)
「この子は12キロ 14キロと増え
 今は61キロ。
 ほかにも必要なデータはすべてここにそろっています。」
毛の状態が思わしくなければたんぱく質が多く含まれるシロツメクサをえさに混ぜる。
改善しない場合は獣医に相談するなど迅速に対応できるようになった。
さらに血統の良いアルパカを掛け合わせて効率よく繁殖させている。
品質を安定させて量産し
市場を拡大するのが狙いである。
(アルパカ農家 イアン・フリスさん)
「1頭1頭の状態を理解できるかが大きな違いを生む。」
こうした徹底した品質管理でオーストラリア産のアルパカの評価は世界的に高まっている。
今年初めて開かれた大規模な品評会。
世界各地から多くのバイヤーが集まった。
フリスさんも自慢の19頭を連れて参加。
毛の質や密度の高さが評価され2つの部門で優勝した。
ドイツのバイヤーがさっそく商談を持ち掛けてきた。
(ドイツのバイヤー)
「毛がしっかりしていていいですね。
 すばらしい。」
取引を前提に牧場を視察することになった。
(ドイツのバイヤー)
「オーストラリア産の品質向上には驚かされる。
 ここ数年多くがヨーロッパに入ってきているし
 これからも買う。」
フリスさんが今年海外に輸出したアルパカは350頭で
去年1年間をすでに超える勢いである。
(アルパカ農家 イアン・フリスさん)
「海外との取引が増えると思う。
 これまで順調に進んできたし
 オーストラリアのアルパカ産業はさらに成長していくだろう。」
新しい成長産業としてアルパカに期待を寄せるオーストラリア。
徹底した品質管理で市場を切り開き
ビジネスチャンスを広げようとしている。

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