9月26日 キャッチ!
江西省にある日系の自動車工場。
作られているのはSUV(多目的スポーツ車)やピックアップトラック。
経済発展が続く中国では
個性的な車に乗りたいという消費者が増えて
若者を中心にSUVなどに人気が集まっている。
(日系自動車メーカー総経理 万建栄さん)
「我々の工場で生産するSUVは
去年に比べて30%増えています。」
中国の自動車の販売台数は前の年を14%近くも上回って
2,800万台を突破。
人気のSUVは前年比で44%の増加である。
(中国時王者鉱業協会報道官 陳士華さん)
「今年は初めてSUVの販売台数がセダンを追い抜くかもしれません。」
環境対策として重要とされるのが排ガスを減らすこと。
いま車の燃費を改善するある技術が注目されている。
それがエンジンをパワーアップさせるターボチャージャーと呼ばれる装置である。
通常のエンジンは
入ってきた空気を燃料と混ぜ
エンジン内で燃焼させてピストンを回す。
これにターボチャージャーをつけるとより多くの酸素を送り込むことができる。
酸素が多くなるぶん燃焼効率が上がるので
少ない燃料でもより大きなパワーが出るという仕組みである。
このターボ技術により燃費が20%程度改善すると言われており
環境対策として注目されている。
じつはこのターボ
世界シェアの80%程度を握っているのが日系2社を含む4社。
中国市場でしのぎを削っている。
日系企業のうちの1つ
吉林省にある工場。
2004年の操業を始め
当初は地元メーカー向けにトラック用ターボを生産していた。
環境規制の流れを受け
ここ数年
トラック以外の用途での引き合いが急激に増えている。
この工場では部品を現地メーカーから調達してコスト削減も進めてきた。
部品の現地調達率は約40%から70%程度まで増えている。
中国は2020年にはターボの需要が2,000万台に達するという予測もある。
会社では再来年度の生産台数は昨年度を100万台上回ると見込んでいて
生産ラインの増設も検討している。
(長春富億石川島ターボ総経理 杉山誠さん)
「かっこいい車で排ガスを抑えるためにはエンジンを小型化する。
かっこいい車の力が必要なのでターボチャージャーが必要。」
増え続ける中国のターボ需要。
この商機をつかむため更なる体制強化にも乗り出した。
ターボメーカーの上海事務所。
働いているのは設計担当の技術者たち。
ここでは去年4月に
日本の本社からターボの設計部門の一部を上海に移した。
IHI上海技術総監の江口雅敏さんは本社で設計部長を務めていたベテラン社員である。
中国での責任者として着任した。
江口さんたちは上海の事務所に3Dのソフトを導入して
中国メーカーからの要望をすぐさま取り入れて設計を変更している。
営業を担当する中国人スタッフとも日常的な情報交換は欠かさない。
こうした態勢を敷いたこともあり
現在現地メーカー2社と新たな商談が進んでいる。
(IHI上海 技術総監 江口雅敏さん)
「深くお客様に入っていって信頼を得て
プロジェクトにつなげて行きたい。」
大気汚染を軽減させる技術の提供。
日本メーカーがいま商機をつかんでいる。