9月30日 経済フロントライン
世界最大の自動車市場 中国。
大気汚染対策としてEVシフトを加速させている。
いま最も人気を集めているメーカー。
(EV購入者)
「BYDの車はすばらしい。
迷うことなくこれを買いました。」
中国深圳市にある自動車メーカー BYDである。
従業員は22万人を超えている。
乗用車からバスまで豊富な車種をそろえ
電気自動車の販売台数は国内トップである。
敷地内で目を引く建物の“充電タワー”は
400台の電気自動車が1度に充電できる。
自治体などから要請があれば
BYDはどこにでも出向いてこのタワーを建てることが可能だという。
BYDは1995年に創業。
もともとは携帯電話の電池を作る社員20人のベンチャー企業だった。
わずか20年の間に中国最大のEVメーカーに躍進した背景には
中国政府による強力な後押しがあった。
その1つが公共交通機関に電気自動車を投入し
国内メーカーに生産を担わせることだった。
BYDは地元深圳市でバスの生産のほとんどを請け負い実績を積んだ。
タクシーの生産も担うようになり
知名度は大きく向上した。
さらに中国政府は電気自動車を作るメーカーに補助金を支給。
BYDは設備投資を進め電池の性能を高めた。
去年発売した電気自動車は1回の充電で走れる距離を400キロにまで伸ばしている。
(BYD 李雲飛 副総経理)
「すでに電池の技術だけでなく
電子制御を含む電気自動車を作る主要な技術を全て持っていて
全面的に設計しています。」
中国政府はこうした産業育成政策を進めることで
2025年までに国内メーカーの販売台数を大幅に増やし
いずれ日本やドイツをも超える自動車強国になることを目指している。
国の目標を定めた責任者の1人
清華大学自動車産業技術戦略研究員 趙福全院長。
構造がシンプルな電気自動車なら競争に勝つことは十分可能だと考えている。
(BYD 趙福全さん)
「従来の車では中国は日本やアメリカ ドイツなどとはまだ差があります。
しかし新エネルギー車の分野では他の国と並んでいます。
自動車産業を強くしたい。
政府と企業の決心はとても大きいのです。」
いまや乗用車市場で世界3位のEVメーカーに成長したBYD。
中国市場だけでなく世界にも目を向け始めた。
いま取り組んでいるのはブランド力の強化である。
ドイツのアウディやベンツからデザイナーや技術者を引き抜いている。
(ブランドデザイナー)
「この会社は成功すると思います。
非常に革新的なビジネスをしているからです。」
(BYD 趙福全さん)
「10年で10倍に成長した前途洋々たる中国の自動車市場柄の参入に
私たちは間に合いました。
さらに積極的に海外へ
これからも努力をしみません。」