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給食の時間

2017-10-18 06:00:00 | 編集手帳

10月13日 編集手帳

 

 議論の中身とは何ら関係なく勝敗が決した例に、
1960年、
米大統領選のテレビ討論がある。
ケネディ対ニクソン。

濃紺のスーツに身を包むケネディは腰掛けると、
ダンディーに足を組んだ。
かたやニクソンはくすんだ灰色のスーツで、
ひざを開き気味に座った。
当時はモノクロ放送のため、
ニクソンは白くぼやけ、
足の姿勢も相まって、
さえない人物に映った。
本当はどちらがいいことを言ったのやら。

本稿は突如、
米国から太平洋を飛び越え、
神奈川にある海辺の町の話題に移るとする。
大磯町の「まずい給食」問題が決着するという。

町は業者との契約を解除する。
毛髪混入など異次元の問題の浮上でかき消えたが、
そもそもの議論はどうなったろう。
味が薄い、
冷たい、
その程度で大量の残飯を出すとは何事か。
否、
舌の肥える今の子供たちに平気で味の落ちる食事を出すとは怠慢だ。

どちらかといえば、
小欄は前者である。
知ったふうに貧しい外国の食糧難に触れたりはしない。
ただ大人を信じ、
嫌いなものまで無心に口に運んだ教室のひとときを思う。
給食の時間、
毎日だれかさんの泣き笑いがあった。


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