4月23日 国際報道2018
貿易をめぐり対立を深める米中。
アメリカは中国からの輸入品に高い関税を課す制裁措置の拡大を検討している。
これに対し中国も報復措置をとる構えである。
中国企業には貿易摩擦の激化に懸念が広がっている。
中国南部 広東省広州で開かれた国内最大規模の展示会。
約2万5,000社の中国企業が参加し
海外のバイヤーに家電や機械部品などを売り込んだ。
アメリカの制裁措置の対象商品を扱う企業からは深刻な影響を訴える声が聞かれた。
(作業用車両メーカー)
「アメリカには多く投資してきたので大打撃です。」
出展企業の中には制裁措置の拡大を警戒する企業もある。
広東省の家電メーカーは
従業員約250人で高級ミキサーを製造している。
去年からアメリカへ輸出を始め
売り上げ全体の6%を占めている。
海外営業担当は
アメリカでの安全認証も取得しさらなる販売拡大を見込んでいたが
新たな制裁対象になるのを懸念している。
(家電メーカー 海外営業担当)
「アメリカの主張は道理にあいません。
注文が減ることが心配です。」
関税引き上げに備え対策の検討を始めている。
「韓国やロシアへの輸出を考えてもいいと思います。」
会場ではさっそく幅広い地域のバイヤーに売り込む担当の姿があった。
(家電メーカー 海外営業担当)
「ほかの国のバイヤーと取引する機会を探り
アメリカの政策による影響を補いたいです。」
輸出企業に影響が広がるなか輸入企業の間からも先行きを不安視する声が出ている。
広東省の食肉の卸売業者である。
(食肉卸売業者)
「穀物を食べて育ったアメリカ産牛の肉は口当たりがよく人気です。」
中国は報復措置として
アメリカ産牛肉などに追加関税を課すことを検討している。
会社の売り上げの40%を占めるアメリカ産牛肉で関税が上がれば
打撃は避けられない。
取引先からは値上げに早くも慎重な声が出された。
(取引先の食堂店主)
「牛肉の値段が上がれば
今後 取引ができないかも。」
米中の貿易摩擦が激しくなるなか
双方の対抗措置が現場企業に深刻な影響を与えようとしている。
(食肉卸売業者)
「貿易摩擦が激化すれば会社の利益が減ってしまう。
政府同士の協調を望みます。」