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“偉大なるマルクス” ドイツ生誕地の戸惑い

2018-05-22 12:45:00 | 報道/ニュース

5月7日 国際報道2018


「資本論」などで知られる思想家カール・マルクス。
旧ソビエトや中国などの共産主義国家の成立に大きな影響を与えた。
生誕200年の今年
ドイツ西部のマルクスの出身地に中国から贈り物が届いた。
中国人観光客がつめかけ
賑わいを見せる一方で
ドイツでは波紋が広がっている。

ドイツ西部トリーア。
200年前の1818年5月5日
カール・マルクスはこの町で生まれた。
マルクス生誕200年の今年
街はマルクス一色である。
マルクスのイラストが描かれたワインやマグカップもある。
もっとも人気があるのがカール・マルクスの0ユーロ紙幣である。
この紙幣は世界中から注文が殺到し
発売開始から1か月足らずで2万5千枚が売れたということである。
マルクスが生まれた家は博物館として公開されている。
ここを訪れる年間4万人の観光客のうち約4分の1を占めるのが中国からの観光客である。
(中国人観光客)
「偉大なる指導者マルクスのふるさとに来られてとてもうれしい。」
中国人の間で高まるマルクスへの関心には
マルクスをたたえる中国政府の影響もありそうである。
北京で開かれたマルクスの生誕200年を記念する大会。
習近平国家主席はマルクスと中国との関係を強調した。
(中国 習近平国家主席)
「中国共産党がマルクス主義を掲げてきたことは正しかった。」
中国政府は生誕200年に合わせトリーアにマルクスの銅像を贈った。
高さ5,5m。
中国の彫刻家が製作したもので
左手に書物を持って歩くマルクスの姿を表している。
(中国 国務院新聞弁公堂 主任)
「銅像は中国とドイツの友好のシンボルです。」
中国が讃えるマルクス。
しかし地元では“共産主義の父マルクス”への評価が分かれている。
激しい議論の末
銅像の受け入れを決めた。
(ラインラント・ブファルツ州 マル・ドライヤー州首相)
「マルクスは白か黒かで評価はできない。
 今回の式典はマルクスについて議論するきっかけになるでしょう。」
式典が行われた5日
街では反対派によるデモも行われた。
旧ソビエトの影響下に置かれたかつての東ドイツの体制は抑圧的で
共産主義への嫌悪感を持つ人は少なくない。
(デモ参加者)
「マルクスは数百万人の共産主義の犠牲者に間接的な責任がある。」
「人権を弾圧している中国の銅像は受け取るべきじゃなかった。」
マルクスをどう評価すべきか。
中国から贈られた銅像が議論を呼び起こしている。

 

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