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フランス いまに生きる「5月革命」のメッセージ

2018-05-28 07:00:00 | 報道/ニュース

5月10日 国際報道2018 


5月1日 パリ中心部で開かれた恒例のメーデーの集会。
あちこちに見受けられたのが
1968年の「5月革命」をたたえるプラカードや横断幕である。
“5月革命の夢は今も走り続けている”。
(参加者)
「何事にも声をあげなければならないことを思い起こす良い機会です。」
50年前にパリで起きた5月革命。
当時のドゴール政権の教育政策が“学生を軽視している”という若者たちの抗議行動をきっかけに
賃上げを求める労働者や社会進出を求める女性たちの運動が湧き起った。
フランス全土でストに参加したのは1,000万人。
政権の打倒にはいたらなかったものの
その後さまざまな社会運動が活発になり
女性や性的マイノリティーなどの権利の向上につながったとされている。
パリではいま各地で5月革命を回想する展示会が開かれている。
それまで社会に埋もれてきた弱者たちが権利をもとめ声をあげる大きな転機をもたらしたと
その意義を伝えている。
5月革命で学生運動を率いたアラン・クリビンヌさん(77)。
当時 学生組織のリーダーとしてデモの最前線にいたクリビンヌさん。
理不尽な現状を変えなければならないという思いで国中がひとつにまとまっていたと言う。
(クリビンヌさん)
「社会的弱者だった女性 移民 同性愛者の運動は5月革命のおかげで生まれました。
 何百人もの人々が一気にひとつにまとまり
 世界的な運動にまで発展するのを見たのは
 私の人生で最初で最後です。」
ドゴール政権や
ミッテラン政権の時代を通じて
時の権力者に歯向かっても労働者の権利を主張してきたクリビンヌさん。
現在のフランスはこれまでより複雑で困難な状況に直面していると感じている。
豊かな社会の中にも格差が広がり
失業率は約9%と高止まりしたままである。
1年前「すべての国民を守る」と言って選ばれたマクロン大統領も
いまや労働者に負担を強いる改革を推し進め
弱者の敵だと批判されるようになった。
排他的な極右政党が勢いづき
移民や難民に対する差別も広がっている。
(クリビンヌさん)
「今は昔より社会が分断され
 人々は行き場を失っています。
 50年前より状況はさらに複雑になり
 誰もが危機に直面しています。」
クリビンヌさんは今でもデモや集会に参加している。
危機が深まる今こそ5月革命の精神に立ち返り
より強く連帯するよう次の世代に呼び掛けている。
(クリビンヌさん)
「自分の力で現状を変えられると人が少なくなってきていますが
 今後はもっと増えてほしい。
 私は5月革命で得たものを信じています。」
(参加者)
「5月革命の精神を受け継ぎ
 当時果たせなかった目標を達成したいです。」
5月革命と同じ時期 学生運動が盛んだった日本に強い関心を寄せてきたと言うクリビンヌさん。
フランスと比べ
若者の政治への関心が低く権利のために声をあげる風潮の少ない今の日本に
メッセージを寄せた。
(クリビンヌさん)
「規律を重んじる日本社会にはとても心を打たれますが
 一方で日本人は目上の人に頭を下げてばかり
 それはフランスではありえないことです。
 いまフランスと日本は互いに学ぶべきではないでしょうか。」
  
































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