5月12日 おはよう日本
大坂にある日本有数の調理師専門学校。
数年前からアジアを中心に留学生が増え始め
今では在校生の1割を占めるまでになっている。
(留学生)
「台湾です。」
「タイから来ました。」
留学生が増える背景には世界で広がる和食人気がある。
海外にある和食のレストランの数は5年ほどでほぼ2倍に増えた。
和食ビジネスが広がる中で
本物の和食を作る料理人が求められているのである。
台湾の和食料理人 陳さん。
大坂の調理師専門学校に2年間留学した。
学費だけで約400万円かけて和食を学んだと言う。
(陳さん)
「日本料理は本場で勉強しないと本当の味がわからないから。」
台湾に戻った陳さんはさっそく地元の会社に就職。
この会社が新商品として力を入れる
本物の和食の味を売りにした食品の開発チームを任された。
いま煮物の試作に取り組んでいる。
この会社では陳さんが作り出す本場の味が人気を集めると期待している。
(郭会長)
「台湾での和食のポテンシャルは高い。
美味しいものにはリピーターがつくから
腕のいい料理人が必要だ。
日本は修行に厳しいので
数年留学すれば日本での厳しい検査をパスしたに等しい。」
陳さんは会社のトップの専属料理人も兼任し
取引先を和食でもてなす。
地元のカキやアマダイを使って盛り付けにもこだわった前菜
出汁をていねいにとった香りのよい吸い物など
7品を用意した。
「うまい うまい おいしい。」
「トップレベル並みの料理だ。」
陳さんはこの会社で日本に留学する前の2倍の収入を得るようになった。
料理人としても腕をみがき
和食ビジネスのさらなる拡大を目指している。
(陳さん)
「台湾だけでなくいろいろな国でブームになっていますから
ほかのところでもいい商売ができるかなと考えています。」
陳さんのように和食での成功を目指す韓国人留学生 ジョン・ヘスンさん。
本場で腕を磨こうと4年前に来日した。
(韓国からの留学生 ジョン・ヘスンさん)
「本物の味を
味わって
舌で記憶する。
限られている貴重な時間をちゃんと生かして頑張っていきたい。」
和食は細部までこだわる技が求められる。
包丁の使い方の基本“大根のかつらむき”。
最初は難しかったと言うが
1年間練習のために毎日家で大根3~4本むき続け
今では得意技になった。
教員もどん欲なまでの熱意を感じている。
(調理師学校の教員)
「すごく取り組みの姿勢が前向き
ストイック。
わからないこととかできないことがあったら徹底的に質問するし
見えないところで努力というか。」
授業が終わって向かうアルバイト先も懐石料理の店。
実際にお客の前でどのように料理を出すのかなど
実践で学んでいる。
将来韓国に戻って自分の店を開き
韓国を代表する和食の料理人となって教えることが目標である。
(韓国からの留学生 ジョン・ヘスンさん)
「本物を見て
本物を食べて
何が本物なのか
それを直接体験したので
留学した経験はとても大きな力になる。」
本場日本で学んだ和食を武器に
成功を目指すアジアの若者たち。
和食文化の担い手のすそ野が広がりつつある。