goo blog サービス終了のお知らせ 

日暮しの種 

経済やら芸能やらスポーツやら
お勉強いたします

宇宙線が引き起こす“ソフトエラー”の脅威

2018-05-27 07:00:00 | 報道/ニュース

5月10日 おはよう日本


スマートフォンやパソコン
炊飯器や冷蔵庫と
いまやコンピューターを搭載した電子機器は私たちの生活に欠かせないものとなっている。
ところがこの電子機器を誤作動させ深刻な被害を及ぼすかもしれない
“ソフトエラー現象”というものが最近注目されている。

パソコンやスマートフォンの調子が悪い。
突然再起動する。
ところが調べてみても故障が見つからない。
その原因の1つと考えられているのが
宇宙から降り注ぐ自然の放射線
“宇宙線”である。
実は宇宙線は絶え間なく私たちのいる地上に降り注いでいる。
通常はさまざまな物質を通り抜けてしまうため影響が出ることはない。
しかし偶然
電子機器の頭脳にあたる半導体にあたってしまうと
内部で特殊な反応が起こり
コンピューターが誤作動する可能性があると考えられている。
“ソフトエラー”と呼ばれる現象である。
実際にソフトエラーが原因とみられる事故が海外で報告されていた。
2008年に起きたオーストラリアの航空機の事故の報告書。
飛行中に突然 機体が急降下したのである。
幸い態勢を立て直すことができたが
激しく揺れたことで100人以上がけがをした。
報告書が指摘したのは
宇宙線によるシステムの誤作動の可能性だった。
宇宙線によるソフトエラーはどれくらい起こっているのか。
大手電機メーカーで実験が行われた。
半導体はごく小さな装置である。
宇宙線が偶然ぶつかる確率は極めて小さいため
実験では約1,000個の半導体メモリーを1か月間にわたって監視した。
その結果
1か月間に記録されたソフトエラーは11回。
スマートフォンに換算すると世界中で毎日30万台余がエラーを起こしている計算である。
実際の頻度を実験で確かめたのは初めてとみられる。
(日立製作所 研究開発部ループ)
「実感していなかったものが目の前で本当に起きた。
 ソフトエラーを感じられた。
 驚きはありました。」
自動運転やドローンなど新たな技術が次々と登場するなか
わずかな誤作動が思わぬ被害をもたらす可能性がある。
こうした状況を受け
大学や企業は共同で研究グループを起ち上げ対策に乗り出している。
(大阪大学大学院 橋本昌宜教授)
「IoTの世界であるとか
 人工知能が融合された社会が今後目指されたとき
 きちんと評価対策できる準備をしておくことが非常に重要だと思っています。」
コンピューター社会が直面するソフトエラー。
大きな被害が起きる前に対策が急がれる。




コメント