4月25日 おはよう日本
カリブ海に浮かぶ島プエルトリコ。
330万人ほどが暮らすアメリカの自治領である。
タクシーの支払いは仮想通貨で。
多くの飲食店でも仮想通貨の支払いが広がっている。
(客)
「簡単だから仮想通貨で支払うことにしているのよ。」
いまプエルトリコには多額の投資が集まっている。
(仮想通貨企業の関係者)
「このデジタル技術で何10億ドル規模の市場をさらに拡大させます。
我々がビジネスをしているここプエルトリコには
巨大なチャンスがあります。」
3月中旬に開かれた仮想通貨を使った新ビジネスの発表会。
企業の代表者らは全米各地から集まった金融関係者らに投資を呼びかける。
プエルトリコにはいま資産1,000億円を超える投資家らが次々と移住している。
(投資家)
「ここは仮想通貨の中心地で
僕にとっては夢みたいな場所さ。
とてもエキサイティングだよ。」
ハリケーンによる災害などで経済が低迷してきたプエルトリコ。
経済の起爆剤として打ち出したのは
自治政府が6年前に打ち出した政策である。
仮装通貨などの投資で得た利益に課税しない法律を制定したのである。
(プエルトリコ経済開発商業局 局長)
「仮想通貨の分野で我々はナンバー1になり
競争の先頭に立つつもりです。
こうしたトレンドや新たな技術を足がかりに雇用を生み出し
経済成長を実現します。」
こうした優遇策を受け投資家たちは次々と島に集まっている。
去年ラスベガスから移住したジェームズ・ローリーさん。
仮想通貨の値動きを見ながら売買を繰り返し多額の利益を得ている。
儲ければ儲けるだけ自分の利益になる今の暮らしに満足していると言う。
(投資家 ジェームズ・ローリーさん)
「仮想通貨の取引を続けてもっとお金を儲けたい。
間違いなくここはユートピアです。
最高の場所ですよ。」
一方で仮想通貨には否定的な見方も出てきている。
地元のラジオで人気を集める経済学者は
島が仮想通貨に過度に依存している現状に警鐘を鳴らしている。
(経済学者 アントニオ・ロザドさん)
「仮想通貨はいつかはなくなるものだと思っている。
少なくとも手を出す前に投資について学ばなければならない。」
それでも地元の若者たちの間では仮想通貨にのめり込む人が後を絶たない。
半年ほど前から仮想通貨に投資を始めた大学生。
30万円ほどある貯金のほとんどを仮想通貨につぎ込み一獲千金を夢見ている。
(大学生)
「毎日ずっと仮想通貨の取引の取り引きをしている。
寝る時だって頭を離れないよ。
“大変だ 寝てしまっていた
仮想通貨が値下がりした
もっと買わなきゃ”なんてね。」
仮想通貨については3月に開かれたG20主要20カ国の財務省中央銀行総裁会議で
規制のあり方について初めて議論された。
仮想通貨はインターネットを通じて簡単に国境を越えられるだけに
犯罪に悪用されかねないという指摘も多く
早急に国際的なルール作りが求められている。