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“イスラム教を身近に” ムスリム漫画作者の思い

2019-01-04 07:00:00 | 報道/ニュース

12月5日 国際報道2018


ムスリム漫画。
イスラム圏を舞台にしたりイスラム教徒の生活などを題材にした漫画の総称である。
今年話題になった「サトコとナダ」。
日本人女性が留学先でルームメートになったイスラム教徒の女性との交流を描いたもので
宝島社「このマンガがすごい!2018」オンナ編第3位。

11月に都内で開かれたムスリム漫画をテーマにしたイベント。
漫画を通してイスラム教について知ってもらおうと開催されたもので
国内外の漫画家の作品が展示された。
(来場者)
「コーランについて描かれた漫画があったが
 読んでみたいと思いました。」
「思ったより日本の漫画寄りで
 すごく親しみやすい。
 ぜひ日本語に翻訳して
 日本の人に見てほしい。」
イベントで講演したイラン出身のハメド・ヌリさん(27)。
去年来日し
都内の高校で英語を教えるかたわらムスリム漫画を描いている。
(ハメド・ヌリさん)
「私の好きな漫画を通じてイスラム教徒と国際社会の橋渡しをしたかったのです。」
ハメドさんがインターネットで発表した作品「花と花の愛」。
舞台は日本の高校である。
恋愛に縁のなかった女子高校生の 花。
偶然すれ違った男子生徒に一目ぼれする。
ある日の昼休み
ひとり教室を出て行った彼。
友だちに背中を押され
花は彼に声をかけようと後を追う。
するとそこで目にしたのは素足になり礼拝する彼の姿だった。
彼は日本人とインドネシア人の両親のもとに生まれたイスラム教徒だったのである。
「えっと・・・何・・・やってたの?
 お祈り?」
「うん
 毎日しているよ。
 1日5回。」
「5回?
 そんなにたくさん?」
「1日に5回も自分を見つめる機会があるのはいいことだと思うよ。」
「わぁ
 それってすごいね!」
彼に心惹かれていく花。
それと同時にイスラム教に関心を持っていく。
「今度お祈りのことについてもっと教えてほしいな。」
「もちろんだよ 花さん。」
(ハメド・ヌリさん)
「花が彼を知るのと同じように
 日本の読者がイスラム教徒を理解できるようにしています。」
ハメドさんがムスリム漫画を描くようになったのは
高校時代を過ごしたアメリカで投げかけられた心ない言葉がきっかけだった。
(ハメド・ヌリさん)
「高校時代に同級生から“テロリスト”と呼ばれたんです。
 精神的にとても傷つきました。
 イスラム教徒に対する誤解や偏見があふれているんです。」
どうすればイスラム教徒のことを正しく知ってもらえるのか。
考えた末にたどり着いたのが
幼いころから親しんできた漫画だったのである。
(ハメド・ヌリさん)
「漫画の力によってアメリカ人が日本の文化や言葉に関心を持ったように
 ムスリム漫画を読んだ日本の人にもイスラム教に関心を持ってもらえるはずです。」
ハメドさんはいま自ら漫画を描くだけでなく
さまざまなムスリム漫画を集めたウェブサイトの運営を行なっている。
掲載されているのは
コーランの教えをストーリー仕立てで描いたものや
断食の意味や目的を分かりやすく伝えるものなど
50作品以上。
読者も世界20カ国以上に広がっているという。
(ハメド・ヌリさん)
「ほかの才能ある人を応援することによって
 イスラム教との肯定的なイメージや価値観を伝えられたらいいと思います。」





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