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相撲ファンに大切な一字「貴」

2019-01-09 07:00:00 | 編集手帳

12月7日 編集手帳

 

 本紙の記事データベースに「貴」「大相撲」と入力してみた。
二つの語を併せ持つ記事は過去10年で約2300件だが、
うち約500件はこの1年である。

九州場所の貴景勝の優勝をのぞけば、
土俵外の話題であったことは言うまでもない。
去年の今頃は貴ノ岩を被害者とする暴行事件で大騒ぎだった。
横綱・日馬富士が引退に追い込まれ、
協会の調査が本格化し、
そこから貴乃花親方の登場が増えていく。

調査に協力しないと発言して波紋を広げ、
このあとは理事選に、
春場所の無断欠勤に、
貴公俊による付け人への暴行問題…。

それで終わりではなかった。
親方は夏、
一門から離脱し、
秋に協会を退職し弟子たちは部屋を移った。
そして季節が一周したこの冬、
貴ノ岩の暴行事件である。
付け人の言い訳に怒り顔が腫れるほど殴ったという。
「お前がやるか」という見出しで報じたスポーツ紙があった。
これほど世間の驚きを代弁する表現はあるまい。

「貴」と聞けば、
元親方や先代の名勝負を真っ先に浮かべたのはいつ頃までだろう。
もっと大事にしていただきたい。
相撲ファンの多くに今も大切な一字である。



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