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中国「改革開放」40年 経済発展の光と影

2019-01-17 07:00:00 | 報道/ニュース

12月18日 国際報道2018


12月18日 改革開放40年を記念して行われた式典で
習近平国家主席は発展の成果をアピールした。
(中国 習近平国家主席)
「改革開放は中国の象徴だ。
 世界で2番目の経済大国で
 製造業は世界最大規模だ。
 世界の平和と発展のために今後も中国の千恵・提案・力を発揮していく。」
改革開放政策で中国はどう変わったのか。
1978年以前の中国では
“建国の父” 毛沢東の指導のもと
政府が生産販売を管理する計画経済を導入していた。
当時の事実上の指導者 鄧小平は
「改革開放」路線に転換。
中国に市場経済が導入されることとなった。
中国のGDP(国内総生産)の推移を見ると
急速に経済発展し豊かになった。
その一方で格差が広がっている。
可処分所得が上位20%の人と可処分所得が下位20%の差は広がるばかりである。

中国南部の深圳は
経済特区として改革開放政策を主導してきた。
従業員1,000人を抱える服飾メーカー。
これを1代で築いたのが会長の劉さん(48)。
(劉さん)
「深圳で成功して夢を実現しなければと自分に言い聞かせていました。」
劉さんは22歳のとき内陸部江西省から農民工として深圳にきた。
工場で働きながら食費を切り詰めて貯金をし
自分の会社を起ち上げた。
去年1年間の売り上げは日本円で80億円。
今後は海外進出も検討している。
(劉さん)
「深圳は平等で開放的で寛容な街。
 だからこそ今の私があるのです。」
こうした改革開放の成果は中国共産党のおかげだと訴える催しが各地で開かれている。
共産党の中央宣伝部が主催する展覧会では
経済・科学技術・軍事まであらゆる分野の成果をアピールしている。
(来場者)
「祖国は偉大です。
 改革開放がなければ今の私たちはありません。」
「国も科学技術も発展し
 人々の生活レベルも向上し
 本当に素晴らしい。」
展示で特に強調されているのは習近平国家主席の功績である。
“改革開放の総設計士”と呼ばれる鄧小平氏
江沢民氏・胡錦涛氏ら
歴代の指導者も紹介されているが
それを上回る圧倒的なスペースを割いて習近平氏の功績が紹介されている。
共産党1党支配の正当性を主張し
習近平指導部への求心力を高める狙いが見てとれる。
中国政府は海外のメディアに向けて
改革開放40年の成果をアピールすることに力を入れている。
原子力産業で中核を担う国有企業。
9割近い国産化率で自主開発したという新型原子炉。
ここでも習主席自らが後押しして
イギリスなど海外に売り込みを進めているとアピールしている。
(中国広核集団 報道官)
「改革開放以降イノベーションの推進に力を入れてきました。
 原子炉の国産化率は今後さらに向上するでしょう。」
政府が経済発展をする一方で広がっているのが貧富の格差である。
ハイテク企業の工場などが集まる深圳。
物価が上昇する一方で
農民工など労働者の賃金はそれほど上がっていない。
(人材手配業者)
「あと4人だよ。
 来たいなら急いで。
 時給は18元(約300円)。」
以前 農民工は努力すれば高い専門知識がなくても生活水準を上げるチャンスがあった。
しかし政府が産業の高度化を進める中で
高い学歴や技能がないと農民工は貧困から抜け出すのが難しくなっている。
現実社会で希望を失いネットゲームに依存する農民工も増えている。
内陸部甘粛省主審の陳さん(30)は深圳に来て5年になる。
日雇いの仕事をしながらネットカフェを行き来する毎日である。
(陳さん)
「学歴や技術のないものにとって深圳は残酷だ。
 農民の子どもはいい教育を受けられない。
 這い上がるチャンスなんてない。
 何が平等だ。」
こうした格差に不満をつのらせる農民工のなかには集団で抗議する動きも現れている。
抗議活動は2018年は1,600件余。
2018年7月
深圳の工場で組合の設立などを求めて農民工たちが起ちあがった。
農民工や支援者の大学生たち30人余は深圳近郊のアパートの1室で共同生活を送っていた。
外には警察とみられる車が停まり
部屋の様子が監視されていた。
内陸部貴州省から出稼ぎに来て4年になる尚さん(22)。
不平等な社会に不満を持ち
活動に参加した。
(尚さん)
「私の工場で作っている腕時計は買うことができません。
 私たち農民工が作った車も家も深圳では高くて買えない。
 今の状況を変えない限り
 私たちの子どもも出稼ぎをすることになります。」
尚さんは仲間とともに労働者の権利の保護などを求めて地元政府に陳情に向かった。
しかし政府批判を許さない大量の警察に取り囲まれ阻止された。
「何の法律のもとに我々の自由を制限するんだ!
 答えろ!」
(尚さん)
「私たちは政府に合法的に書簡を渡したいだけなのに
 何を恐れているの?」
改革開放を主導した鄧小平は
“豊かになれるものから豊かになり
 その後に他の人を助けていく”
という「先富論」を掲げた。
しかしその理想とは裏腹に
格差のひずみが溜まり続けている。




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