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海の汚染

2019-01-23 07:00:00 | 編集手帳

12月26日 編集手帳

 

 童謡詩人まど・みちおさんに「するめ」という短い詩がある。
<とうとう/やじるしに/なって/きいている/うみは/あちらですかと…>

人に捕まり干されて名前をスルメに変えられた生き物が、
火にあぶられてかみ砕かれる前、
イカとして生かされていた海の方向を尋ねるのである。
命への哀れみはむろん、
人間の力の大きさを余すところなく写すようで、
自然破壊の報などに触れると思い出す。

プラスチックごみによる海の汚染は今年、
急浮上したテーマだろう。
鼻にストローが刺さったウミガメ、
腹からペットボトルやレジ袋が見つかったクジラ…。

目に見えるものだけではなく、
細かな破片の「マイクロプラスチック」なるものも日本沿岸で確認されている。
そのうち魚を通して人間の体内にも忍び込むのではないか。
そんな懸念も差し迫った声として聞くことが多い。

先日、
国連の宣言案が伝えられた。
「2025年までにレジ袋を全廃せよ」。
地球規模の各国の協調に期待しつつ、
一人ひとりの小さな暮らしを見つめ直すこともしよう。
どんな心持ちでいればいいか、
まどさんの感受性が参考になる。


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