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「新時代への突破口」 地域とプロスポーツ

2019-04-12 07:00:00 | 報道/ニュース

3月19日 おはよう日本


平成の時代には
人口減少が進む地域で
プロスポーツを中心に地元を活性化しようという取り組みが各地で生まれた。
その典型的な事例が鹿島アントラーズ。
茨城県の人口7万人の町に
平均2万人の観客を集めるクラブである。
Jリーグ発足とともに設立され
これまでリーグ最多の20のjタイトルを獲得してきた。
(サポーター)
「地元の誇り。」
「アントラーズあっての鹿嶋市。」
鹿嶋市は昭和40年代に工業都市として開発された。
しかし娯楽施設がなく若者の流出が課題となっていた。
クラブ設立の中心メンバーの1人 平野勝哉さん。
Jリーグのクラブを作ることで街に賑わいを生み出したいと考えた。
(元クラブ職員 平野勝哉さん)
「当時の鹿島の町のたたずまいは日没 即夜中。
 スポーツを通じて地域が盛り上がる
 その可能性にかけた。」
Jリーグが重視したのが当時珍しかった地域密着の理念。
平野さんたちはまずスタジアムの清掃や駐車場の管理などを地元の住民に任せ
クラブの運営に巻き込んだ。
元ブラジル代表のスーパースター ジーコ選手もその手本を示した。
練習の合間にはサポーターと積極的に交流。
海外では当たり前に行っていたファンサービスをチームに根付かせたのである。
(鹿島アントラーズ ジーコさん)
「私には周りの選手にファンサービスの大切さを伝える大きな責任があった。
 関係が良くなればサポーターが増える。
 サポーターが増えれば選手のモチベーションとクラブの収入が増える。
 すべてがつながっている。」
地域に密着しながら強いチームであり続けたアントラーズ。
ファンクラブの会員数は今では約2万7,000人に達している。
仕事や年齢がバラバラな住人が試合観戦などで交流するようになり
地域と住人をつなぐシンボルになっている。
(元クラブ職員 平野勝哉さん)
「きのうアントラーズ勝って良かった
 負けて悔しい
 そういう話題が良く出てくるようになった。
 やっと住人参加型の形ができた。」
平成5年に始まったJリーグは当初10クラブだったが
現在は35都道府県55クラブにまで増えた。
さらにバスケットボールBリーグや野球の独立リーグなど
さまざまな競技でプロチームが誕生し
その数は100を超えている。
一方 資金力のないチームは観客動員で苦戦を強いられている。
なかには経営難に陥り運営母体が変わるチームも出てきた。
地域振興の核となるプロスポーツをどう維持していくか課題が突き付けられている。
サッカーJ2のレノファ山口。
Jリーグ参入5年目の新しいクラブである。
県内唯一のプロスポーツチームだが
昨シーズンのホームでの平均観客数は約6,100人。
安定運営のためにクラブが目標としている7,000人には及んでいない。
クラブの運営部長 内山遼佑さん。
観客動員が伸びない理由の1つに山口の立地があると考えている。
東にはJ1で優勝経験のあるサンフレッチェ広島やプロ野球の広島カープ。
西にはソフトバンクホークス。
県内のスポーツファンの多くは外を向いてしまっているのである。
さらに県内企業からのスポンサー料収入もここ数年横ばいである。
(レノファ山口 運営部長 内山遼佑さん)
「なかなか一気に1,000人2,000人増える起爆剤はレノファ山口にはないと思うので
 何ができるか考えたときに
 本当に積み重ねだと思う。」
チーム存続へどう観客数を増やすのか。
開幕戦では地元小学生による演奏会を開催した。
サッカーに興味がない人にも足を運んでもらう狙いである。
さらに観客増員作戦は県外にまで及ぶ。
この日レノファ山口は愛媛県でのアウェーゲーム。
会場にブースを出し山口県の魅力をアピール。
次の試合で来てもらおうというのである。
山口県からも4人の職員が参加。
ういろうなど特産品が当たる抽選会などで愛媛サポーターにアピールする。
(愛媛FC サポーター)
「秋吉台とか名前は聞くけど行ったことはない。
 ぜひ次のアウェー戦は行きたいと思う。」
「お得なクーポンももらったので
 愛媛FCもレノファ山口も両方応援しに行きたい。」
レノファ山口では九州などの試合にも出向き
安置したクラブ運営のため
観客動員を増やす試行錯誤を続けていく予定である。
(レノファ山口 運営部長 内山遼佑さん)
「アウェーの地にも観光PRに来られるのは意義がある。
 スタジアムを満員にしたい。
 レノファが地域にあってよかったと
 成績にかかわらず思われる存在になりたい。」

 

 

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