4月2日 おはよう日本
“サバティカル”というのは“安息日”という意味から転じて長期休暇を指す。
日本でいち早く導入したのがヤフー。
最長で3か月のサバティカル休暇を社員に取らせている。
ヤフーで通販サイトの販売促進を担当する依田さん。
入社145年目を迎えた去年
3か月間のサバティカル休暇を取った。
(ヤフー ショッピングカンパニー 依田さん)
「ほとんど自分の時間がなかったので
ここにきて自分のために使いたいなと。」
この会社が6年前に導入したサバティカル休暇。
勤続10年以上の社員を対象に
最長3か月の長期休暇が与えられる。
インドに長期滞在いた社員もいれば
ヨーロッパでのテニス大会に挑戦した社員
ガラパゴス諸島で観光保護活動に取り組んだ社員など
全社員の2%にあたる158人が思い思いの休暇を過ごした。
依田さんのサバティカル休暇は家族とゆっくり向き合う時間に。
その一方で自身のスキルアップにも挑戦した。
週に3日専門の教室に通いウェブデザインについて学び直したという。
(ヤフー ショッピングカンパニー 依田さん)
「いったん仕事から離れて
足元を見つめなおすことができたのはすごくいい機会だったと思う。」
なぜこれほど長期の休暇制度が可能なのか。
秘訣は会社をあげた体制づくりにある。
サバティカル休暇は4か月前に申請を出すのがルールである。
申請が出された部署ではすぐんに業務の見直しが行われる。
あらかじめ業務を効率化したり絞り込んだりすることで
ほかの社員に負担が及ばないようにしているのである。
通販サイトに出店する企業の販促を担当する依田さんの部署では
休暇をきっかけにチーム全体の業務を見直した。
優先度が低いと判断された出展企業向けの情報サイトを思い切って縮小。
その代わり毎週自動で更新される検索ワードランキングの提供を始めることで
企業が消費者のニーズをつかめるようにしたのである。
(ヤフー ショッピングカンパニー マネージャー)
「休暇中は人数としては減ったが
前々から準備していたことがうまく回った印象。」
社員が長期休暇を取得することは”組織にとってもメリットがある”と会社は考えている。
(ヤフー 人事担当執行役員)
「働く時間以外(休暇)に対しても
会社がどれだけ向き合い取り組んでいけるかが
結果としても会社の仕事の質を上げていく。
休暇取得はむしろポジティブにとらえてよい。」