3月20日 国際報道2019
今や世界の音楽市場トップのジャンルとなったR&B・ヒップホップ。
その本場アメリカで
アジア出身のアーティストを次々とヒットさせている注目のプロデューサーがいる。
アジア系アメリカ人のショーン・ミヤシロさん。
これまでアジア人が成功することは難しいとされてきたこのジャンルで
新たな才能を発掘し続けている。
今年初めの東京のライブハウス。
日本だけでなくアジア各国からおよそ2,400人の若者たちが集まった。
ステージに登場したのは世界を席巻するアジアのアーティストたちである。
主催したのはアメリカ拠点のレーベル
88RISING。
このレーベルのCEOがプロデューサーのショーン・ミヤシロさん(37)である。
「良い作品を作ることでステレオタイプを打破したいんだ。」
日本人の父親と韓国人の母親のもと
アメリカ カリフォルニア州で生まれ育ったショーンさん。
幼い頃から親しんできたのがヒップホップだった。
しかしアメリカのエンターテインメント業界でのアジア人の扱いには違和感を抱いてきたという。
(プロデューサー ショーン・ミヤシロさん)
「アメリカで育ったが
子どものころから
ジャッキー・チェンが出てくるまではアジア人の顔をテレビで見たことはなかった。
若者たちが共感できるようなアジアのアーティストや俳優もいなかった。
私はアジアには多種多様な才能ある人たちがいることを世界に伝えたいと思っている。」
2016年 ショーンさんはニューヨークを拠点に
アジアのアーティストを発掘しプロデュースするベンチャー企業を起ち上げる。
すると手掛けたアーティストたちは
インターネットを通じて瞬く間に世界中のj若者たちに拡散され
大ヒット。
YouTubeの登録者数も急激に数を伸ばしていった。
レーベルとして初めてプロデュースしたのがインドネシア人のラッパー
リッチ・ブライアン(19)。
代表曲「Dat$tick」では若者目線で自身が住むジャカルタに蔓延する経済格差を綴っている。
コカインをやる人々は食べ物を求め殺し合ってる
アジアの現実を歌うこの動画は再生回数1億回を超えるヒットとなっている。
さらに注目のアーティストが中国拠点のヒップホップグループ
ハイヤー・ブラザーズ。
中国の若者たちの率直な思いを綴った歌が次々ヒットしている。
「WeChat」
俺らの国にはスカイプもフェイスブックもツイッターもインスタグラムもない
だからWeChatを使うんだ
(マ シウェイ)
「自分のやりたいことをやって
それが認められるのはうれしい。
誰かの模範でありたいと思ってはいないが
ありのままの自分を表現し続けることができるように
もっと高みを目指したい。」
若者たちのシンボル的存在を次々に生み出すショーンさん。
音楽によって世界へのアジア人の存在感を高めていくことが
自らの使命だと考えている。
(プロデューサー ショーン・ミヤシロさん)
「今やデジタル世代の人たちはどんな壁も簡単に飛び越えることができる。
私たちはカンフーをやる人間ではない。
かっこいい音楽を作っているんだ。
その音楽でアジア人はかっこいいということを体現したい。」