3月26日 国際報道2019
対戦型のコンピューターゲームを協議として行うeスポーツ。
競技人口は全世界で1億人を超えているともいわれ世界大会が開かれている。
中国ではこのeスポーツを農村地域の活性化に活用しようという動きが出ている。
中国内陸部重慶の郊外で去年12月に開催されたeスポーツの全国大会。
各地の予選を勝ち抜いたチームが集まり
中国一の座をかけて熱戦を繰り広げた。
大会を開催した企業の代表は
eスポーツは新たなスポーツとしてかつてなく注目され産業としても将来性があると強調した。
(大会を開催した企業 代表)
「この1年 中国のチームが国際大会で優秀な成績を残し
メディアでも大きく取り上げられた。
まさにeスポーツの価値が見直され
産業として黄金期を迎えたのです。」
会場となった地方政府も大きな期待を寄せている。
(地元政府の幹部)
「eスポーツは新しいスポーツというだけでなく
地域の経済活力を引き上げることなどに重要な意義がある。」
スタジアムがあるのは重慶の中心部から約150km離れた中国の中でも貧しい農村地域である。
就職先も多くないためこの地を離れて出稼ぎに出る若者も少なくなかった。
重慶郊外の農村に建設されたのが中国初とされるeスポーツ専用施設である。
地元政府は企業とも連携し
eスポーツやゲーム産業などにかかわる企業や専門学校を誘致する計画である。
“eスポーツという新業態によって新たな分野の発展を目指そう”
3年間で約800億円かけて開発が進められている。
地元で開催されたその華やかな舞台を見ながら自らの成功を夢見る若者がいる。
地元の企業が設立したeスポーツのチームに入りプロのゲーマーになった黄さん(23)。
大きな大会に出場し賞金を手にしようと日々練習を重ねている。
(プロゲーマー 黄さん)
「私たちのチームが大きな会場で地元代表として戦い優勝するのが最大の夢です。」
黄さんは大学を卒業後 地元を離れて建設現場などで働いていたが
好きなゲームで生活できると考え地元に戻った。
(プロゲーマー 黄さん)
「建設現場での仕事はとても単調で
生活は楽しくなかった。」
黄さんたちはゲーム以外のトレーニングも取り入れている。
1人っ子が苦手とする連係プレーを高めるためである。
(コーチ)
「みんな1人っ子で
同年齢の人たちとうまくコミュニケーションをとる機会がなかったので
こうして一緒にやればチームワークを学べるのです。」
1日10時間以上4人の仲間とともにゲーム漬けの日々を送る黄さん。
判断力や反応の速さだけでなく
チームメートと連携しながらゲームの腕を磨いている。
「あっ やられそうだ!」
「僕にまかせろ!」
「相手はまだ逃げていないぞ。」
「やれ!」
「よし!」
プロのゲーマーとはいえ今の月収は約5万円。
以前の収入の2倍以上になるが大会で賞金を稼ぐまでには至っていないため
実家に身を寄せている。
両親はそんな黄さんの将来を見守りたいとしながらも
今後の地元政府の動きを注視している。
(黄さんの父)
「息子が喜んでいるなら親として応援したい。
ただ政府の支援がなくなったら
将来どうなるかわからないので心配もある。」
次の大会を目指して
1日も早くトッププロを目指して自立したいと考えている。
(プロゲーマー 黄さん)
「賞金はとても魅力的で大きなものです。
多くの賞金が得られるようになるのが夢です。」
貧しい農村で進められているeスポーツの拠点づくり。
地域の開発がなか
若者たちは人生に勝利する夢をゲームに託す。