4月9日 おはよう日本
“展望回廊”と名づけられた第2展望台は高さ450m。
タワーを1周出来て東京の景観を楽しめる。
全面ガラス張りの直径5mのチューブのような形になっていて
タワーの周りを螺旋状に上がって行く複雑な形をしている。
こうした複雑な展望回廊の建設に
世界がまねできない富山県の技術が欠かせなかった。
展望回廊の外壁を作った富山県滑川市にある大手アルミ建材メーカーの工場。
20年前に操業を始めて以来
ビルに使われる建材の開発と製造を担ってきた。
YKKAP滑川事業所ビル製造部 藤岡均製造業務室長は
展望回廊の受注が正式に決まる4ヶ月前から
社内の設計部門と念密な打ち合わせを行ない準備を進めてきた。
「東京スカイツリーの“展望回廊”の難度だと
誰でもできるかといったらできないので。」
工場きってのベテラン藤岡さんにとっても450メmは未知の高さだが
藤岡さんには経験がある。
藤岡さんたちが手がけ4年前に完成した名古屋駅前にある
モード学園スパイラルタワーズのビルの空に向かってねじれて行くデザインは
展望回廊以上の複雑さで
外壁は1800ものパーツを組み合わせて作られた。
「他のメーカーでは出来ない。
それほど難しい。」
展望回廊にはこうした経験が生かされている。
たとえば風への強さ。
これまで国内で観測された最大風速は秒速72,5m(昭和17年富士山頂)。
展望回廊の外壁はこれを越える秒速約75mの風に耐えられるよう設計され
1平方メートルあたり650キロ超の圧力でも大丈夫ということである。
強度だけではない。
展望回廊の外壁は滑川の工場で作った288のパーツを
地上450mの高さで組み合わせて作られた。
複雑なデザインのためにひとつひとつ形が違う。
設計上の強度を保つためにも
細かく定められた建設スケジュールを守るためにも
それぞれのパーツは設計図との誤差を0,1ミリ以内で作ることが求められた。
「(海外も含め)競争は激化しています。
イタリアとか中国のメーカーとか。
製造スキルが必要になってくる。
うちの工場がもっている製造スキルです。」
世界が真似できない日本のそして富山の高度な技術が
間もなく開業する世界一のタワー東京スカイツリーに生かされている。
世界がライバルだというこの会社は
日本だけではなく世界中で超高層の建築に取り組んでいくということである。