7月11日 経済フロントライン
現地の人の好みを徹底的に考え成功を収めた和食レストランもある。
和食レストラン IYO 総料理長 市川晴夫さん。
ミラノにある市川さんの店は
イタリアにある和食レストランで初めてミシュランの1つ星を獲得した。
市川さんの料理は
和食とイタリアンを組み合わせた斬新な味と盛り付けが高く評価されている。
日本で寿司職人だった市川さん。
25年前にイタリアに渡った。
しかし当初は自分がつくった寿司やみそ汁などが受け入れてもらえず
悩む日が続いたと言う。
(シェフ 市川晴夫さん)
「レストランで味噌汁を出していて
イタリア人の子ども連れのお客さんが来て
子どもがみそ汁を飲む。
おもむろに子どもがしょうゆを取り出してみそ汁に入れちゃう。
当時 日本から来たばかりだったので
日本の味噌汁はこうだみたいな感じで作っていたのがいけなかった。
やっぱり和食は薄めでしょう。
その後考えを変えて
イタリア人は濃いめの方が合うとちょっと味を濃いめにした。」
それから市川さんはイタリアの食を徹底的に研究することにした。
休みになると奥さんとともに
人気だと言われるイタリア料理店を次々と訪れ現地の好みを探った。
市川さんはイタリアンを基本としながら
そこに必ず日本の食材や調理法を取り入れる独特の料理を生み出した。
(シェフ 市川晴夫さん)
「イタリアをベースにして物事を考えるようにしている。
それでイタリアンを良く食べる。
これに日本だったら梅干しもいいかと食べてヒントになればいい。」
現地の料理と和食を融合して成功した市川さん。
いま考えるのは次の一手である。
日本の食材を次第に増やしていき
本来の和食をもっと広げようと考えている。
この日はだしのきいたつゆとそうめんを振舞った。
(シェフ 市川晴夫さん)
「和食は気持ちですね。
日本料理って手間暇かかる料理ですよね。
細かいところまで。
それがやっぱり日本料理だと思っている。
それは失わない。
肝に銘じて作っていきたい。」