箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

心にしみる調べと語り

2017年09月18日 14時12分33秒 | 教育・子育てあれこれ




今日は午前中、西南小地区福祉会の敬老の集いが西南小体育館で開催されました。

例年、箕面市のなかでも、西南小地区は敬老の集いの対象となる高齢者が多く住まれています。

今年も、体育館はフロア全面が、出席者で埋めつくされました。

その敬老の集いの2部では、オープニングに三中吹奏楽部が演奏しました。

曲は「上を向いて歩こう」、「世界で一つだけの花」、美空ひばりメドレーなどでした。

お年寄りにも馴染みのあるナンバーであり、またソロ演奏の場面がたくさんありました。

ですから、生徒の奏でる音にと耳を傾け、じっとうなづきながら聴いてくださる表情が、たいへん印象的でした。


また、三中演劇部は2部のMCをつとめてくれました。

中学生のハツラツとした語り、また演目の紹介や感想には活気があり、聞く高齢者の耳に心地よく届きました。

大阪天水連の阿波踊りにも、演劇部生徒が加わりました。


なお、私は1部で三中校区の学校園の来賓として、あいさつをしました。

以下、あいさつ文を紹介します。

西南小地区「敬老の集い」のあいさつ
H29(2017).9.18
西南小体育館

ただいまご紹介いただきました箕面市立第三中学校校長の主原でございます。

本日は、西南小地区「敬老の集い」の開催、誠におめでとうございます。三中校区の学校園を代表して、一言お祝いの言葉を述べさせていただきます。

さて、昨日は台風が猛威をふるい、日本列島に被害をもたらしました。私たちは1990年代からずっと大きな自然災害に見舞われています。

私の小学校の時、大阪千里で万博が開催されました。時は1970年・昭和45年のことでした。当時、日本は高度経済成長の時代でした。

その成長時代にあって、科学の進歩は著しく、少年の私にも輝く未来が開けているように思いました。「努力すれば報われる」「科学がある意味、万能である」と多くの人が信じていた時代でした。

しかし、今や、わが国は大規模な自然災害にたびたび見舞われています。私たちは、科学が決して万能でないことを思い知らされています。

登山に例えれば、いまは山を下りる時代なのかもしれません。山を下りるのはプラス、降りるのはマイナスのように一般的にはとらえがちですが、私はけっしてそうは思いません。

山をのぼるときは、重い装備を背負い、ハーハー吐息を切らしながら、ただ必死に歩きます。後ろを振り返る気にもなりませんでした。

ところが、下山にはゆとりがあります。下山途中には、眼下に広がる平野や遥か彼方に見える海を眺める余裕があります。足元に咲く高山植物の美しさに目が留まります。

だから、下山は心が豊かであり、マイナスではないと思うのです。

敬老の集いにお集まりの方々は、下山する人々といえるかもしれません。下山するのは、実った稲を刈り取る収穫期です。だから、下り坂ではなく黄金期です。

いまのわが国は成長の時代は終わりをつげ、成熟の時代が始まっているのです。成熟時代は人と人が助け合いながら生きていく時代であると思います。こう考えたとき、地区福祉会の活動が鮮やかに色づきだすのです。
 
本集い、および地区福祉会・社会福祉協議会の今後の益々のご発展とご盛会と皆様の末永い長寿を祈念しまして、お祝いのあいさつとさせていただきます。

本日は誠におめでとうございます。 (以上)