
9月2日と5日、17日のブログで、子どもから話を聴く場合のポイントを、3回にわたり、①②と③④と⑤⑥を紹介してきました。
今回は、このシリーズの最終です。
「聴く」と「話す」を比較したとき、基本的には、聴くより話したい人が多いのは、事実でしょう。
でも、相手に気をつかい、話すことが得意でない人もいます。生徒だって同じです。
言える人は、言い終わるとさっぱりするだろうし、怒りや恨みは残らないでしょう。しかし、言われっぱなしの相手は不満足な気持ちが残るでしょう。
周りを不満足にさせながら、自分だけさっぱりしているのは、好ましいことではありません。
「わたしはうまく話せない」と悩む人はいても、「わたしはしっかり聴けない」と悩む人は少ないのです。
教師であっても、親であっても、悩みごとや困りごとで大人に相談しょうとする子どもには、「わたしはしっかり聴けない」と自覚している人が、いちばんの相談談相手になれるのだと思います。
相手になにかアドバイスをしないと、と思うのは人情であり、そう考えるのはもっともです。
しかし、聴くことで相手を支えることができます。
聴き手が聴いてくれるということは、話し手が話す、語ることができることです。
話し手は、話すことで、語ることで、自分の気持ちに整理をつけることができます。
「そうか、わたしはこのことでひっかかっていたのか」と迷いや悩みの気持ちを整理できます。
自分がどうすべきかを、自分で見通すことにつながるかもしれません。
中学生には、自分のことは自分できめさせなければなりません。
それでも、「聴き手がなにか言ってあげないと」と思うなら、十分に聴いたあとで、「わたしは、こう思うよ」と話せばいいのです。
要は、話を十分に聴かないで、おとながすぐに自分の考えや意見を言うのは、「聴くこと」ではないということです。