
いまでは、ほとんど見かけなくなりましたが、今の時期、私は家の周りでは、子どものころよく蛇を見かけました。
そして、ときどき、蛇が脱皮して脱ぎ捨てた皮を石垣に見つけました。
その皮をサイフの中に入れておくと、金運がつきお金が貯まるなどと言われていました。私はしたことはありませんが。
さて、蛇の脱け殻の話は、哲学に飛びますが、ニーチェが関係します。
ニーチェは、ドイツの哲学者です。
彼は、言いました。
「脱皮できない蛇は滅びる。
その意見をとりかえていくことを妨げられた精神も同様だ。」
The snake which cannot cast its skin has to die.
As well the minds which are prevented from changing their opinions; they cease to be mind
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脱皮するには怖さが伴なうのがふつうです。
新しい自分になるということは、これまで身につけてきた愛着のある「暖かい衣」を捨てることになるからです。
ですから、大多数の人は、脱皮をためらいます。
それでも、人は進化するためには、今までの自分と決別しなければならないのです。
人は現状に満足した時点で成長や進化は止まります。
商売に成功したら、「もっと、もうけたい」と思う。
たくさんお客さんが来るようになっても、「もっとお客さんに来てほしい」と努力する。
学級担任もいまのクラスに満足するのでなく、「もっといいクラスにしたい」と、さらなるクラスづくりに励む。
中学生にしてもしかり。
テストで、いまの点数で満足するのでなく、もっといい点を取りたいと、さらに学習に精を出す。
部活で、ベストプレイヤー賞をもらっても、「もっとうまくなりたい」と願い、練習をする。
それには、本人に「新しい自分になりたい」とかという強い意思が求められます。

本日、剣道の大会に行きました。
個人戦の決勝戦は、圧巻の集中力を中学生が見せていました。
審判の「はじめ!」の合図とともに、猛烈な勢いで「技あり」をとります。
凄まじい集中度でした。「決勝まだ来たのなら、ここで満足はしない。ぜったい優勝する」という強い意志と覚悟を、私は感じました。
脱皮というものは、強い気持ちや決意が必要なのだと、あらためて思いました。