8月に入りました。夏休みに入り、10日以上がたちました。夏休み本番です。
さて、夏休みというと、私は高校生の時、夏休みに友だち3人と四国徳島県の海部(かいふ)という所へ泊まりに行ったことがあります。
その場所は、友だちの田舎でした。
当時は、まだ本州と四国を結ぶ橋がなかった頃です。
和歌山まで電車で行き、和歌山港から船に乗り、徳島へ渡りました。
それから、電車に乗り、徳島県の山奥にまでたどり着きました。
そこで一泊させてもらいました。
家の前には、海部川という川が流れていて、河原が広がっていたのを覚えています。
私は、田舎育ちでしたから、川で泳ぐのは慣れていました。
驚かれるかもしれませんが、私は小学生のとき、学校にはまだプールがなく、町内を流れる川を大人が土嚢袋を積み、堰き止め、たまった水の「プール」で、夏休みには泳いでいました。
ですから、川で泳ぐのは慣れていました。
そんな私が徳島の海部川で遊んでいた時のことです。
その川は、とても深く、おそらく3メートルほどの水深がありました。
川底近くには、大きな魚が泳いでいるのが、水中メガネで見えました。
私が岩の上で休憩していると、友だちが突然溺れ始め、「助けてくれ!」と叫びました。
私は川に飛び込み、友だちのところまで泳ぎつきました。
すると、彼は私の首にしがみつき、私は友だちと一緒に水中に沈み始めました。
この時、私も友だちもバタバタともがきながら、「もうダメだ」と、私は死を覚悟しました。
しかし気がつくと、幸運にも、水の流れが強く、私たちは浅瀬に流されていたのでした。
足が着くことがわかったとき、「助かった」と思いました。
私は油断していました。小さいときから、川で泳ぐのは慣れていたので、海部川も同じと思っていたのでした。
でも、私がふだん泳いでいたのは、もっと浅い川だったのです。
深くて、流れの強い川の怖さを知らなかったのでした。
ことわざにあります。
「泳ぎ上手は川で死ぬ」。
自分の力を過信してはいけません。
このことを思い知った17歳のときの、ちょっとほろ苦い夏の思い出です。